セブン―イレブン・ジャパンが、フランチャイズ(FC)加盟店のオーナーに向けて画期的な方針転換を打ち出しました。これまでハードルが高いとされていた本部の「営業代行制度」について、2019年07月15日より、リフレッシュを目的とした家族旅行での利用も正式に認められることになったのです。
この営業代行制度とは、店舗を切り盛りするオーナーが何らかの事情で店を離れなければならない際、本部の社員が代わりに店舗運営をサポートする仕組みを指します。コンビニ経営は24時間365日の対応が求められる過酷な側面があるため、この制度は店主の生活を守るための命綱とも言える重要なセーフティネットです。
制度緩和の背景と公取委への申告による波紋
従来、この代行制度の利用は、急な病気や親族の冠婚葬祭といった緊急性の高い事態が優先されてきました。セブン本部は「バックアップ人員の体制が整ったため」と理由を説明していますが、今回の決定にはもう一つの大きな背景が存在します。それは、現場から上がった切実な訴えでした。
実は、群馬県内のオーナーが「家族旅行に行きたい」と制度の利用を希望した際、本部から拒否されたという出来事がありました。これを不当な制限だと感じたオーナーが、独占禁止法などの観点から公正取引委員会(公認の市場監視役)へ申告を行ったことが、世間の注目を集めるきっかけとなったのでしょう。
SNS上では、このニュースに対して「ようやく人間らしい働き方ができる一歩だ」と歓迎する声が上がる一方で、「今まで旅行すら認められなかったのか」という驚きの反応も広がっています。こうしたSNSの反響からも、現代社会におけるワークライフバランスへの関心の高さがうかがえるのではないでしょうか。
編集部が考える「コンビニ経営」の未来像
私個人としては、今回の本部による柔軟な対応は、遅きに失した感はあるものの非常にポジティブな変化だと捉えています。加盟店と本部は、本来対等なビジネスパートナーであるべきです。オーナーが心身ともに健康でなければ、質の高いサービスを継続することは不可能だと言っても過言ではありません。
24時間営業の是非が問われている昨今、単に営業を続けるだけでなく、いかにして運営側の幸福度を高めるかが業界全体の課題となっています。今回の決定が、セブンイレブンだけでなくコンビニ業界全体の労働環境改善を加速させる、象徴的な出来事になることを期待してやみません。
コメント