日本のキャッシュレス社会を牽引してきたスマートフォン決済業界に、大きな地殻変動が起きました。フリマアプリ大手のメルカリは、2020年01月23日に傘下のメルペイが同業のオリガミを完全子会社化することを発表したのです。このニュースはSNS上でも「ついに業界の淘汰が始まった」「お気に入りの決済サービスだったから寂しい」といった驚きや惜しむ声で溢れかえり、トレンドを席巻しました。株式の譲渡は2020年02月25日に実行される予定となっており、パイオニアの退場は多くの人々に衝撃を与えています。
オリガミは、インターネットを介した革新的な金融サービスを指す「フィンテック」の先駆けとして、2012年に誕生した企業です。2016年にはQRコード決済に参入し、タクシー大手との連携などでビジネスパーソンの心を掴みました。しかし、潤沢な資金力を誇るIT大手の参入により、市場の景色は一変します。特にソフトバンクグループの「PayPay」が仕掛けた大規模なポイント還元策は凄まじく、圧倒的なユーザー数を獲得しました。企業体力に限界がある独立系のオリガミは、この激しい消耗戦に抗いきれなかったのが実情です。
今回の買収に伴い、これまで親しまれてきた「Origami Pay」のサービスは将来的に幕を閉じる見通しとなりました。利用者が今後も決済を続けるには、メルペイへの新規登録が必要になります。このように、現在のスマホ決済市場は10社ほどが乱立する過密状態にありますが、すでにLINEもPayPay側との経営統合を決めており、今後は大手IT企業を中心とした合流や再編がさらに加速するでしょう。単なる決済機能だけでは生き残れない、厳しい「淘汰の波」が押し寄せています。
私は、この動きを日本のキャッシュレス決済が成熟期へ向かうための「必然のプロセス」だと考えています。これまでは利用者を囲い込むための過度な割引キャンペーンが目立ちましたが、今後は生活にどれだけ深く根ざした付加価値を提供できるかが勝負の分かれ目になります。専門家からも、決済単体での黒字化の難しさと、保険や証券といった周辺の金融ビジネスでいかに収益を確保するかが今後の焦点であると指摘されています。便利で安全な社会インフラとして、真の価値が問われるのはまさにこれからです。
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