激動の続くグローバル経済の中で、いま多くの投資家が熱い視線を注ぐ国があります。それは、アジアと欧州の架け橋であるトルコ共和国です。同国の経済政策をコントロールするベラト・アルバイラク財務相は、2020年1月24日までにメディアのインタビューに応じ、現在の金融政策や通貨リラを取り巻く環境について、非常に強気な見解を示しました。
トルコ経済を巡っては、政府による中央銀行への介入を懸念する声が根強く存在しています。中央銀行とは、国家の通貨や金融政策をコントロールし、物価の安定を図る独立性の高い機関のことです。しかし、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領の最側近であり、実娘の夫でもあるアルバイラク財務相は、こうした世間の懸念を真っ向から否定しました。
同財務相は「政府と中央銀行が密に意思決定を共有し、経済成長や金融の安定を目指すのは当然の試みだ」と主張しています。そのため、周囲からの批判は的外れであるという見解を示しました。SNS上では「独立性が失われるのはリスクだ」という慎重派と、「強力なリーダーシップで景気が回復するなら歓迎」という期待派で、意見が真っ二つに割れています。
連続利下げの裏側と、市場を揺るがすマイナス金利の是非
エルドアン大統領は、かねてより低金利による力強い景気刺激を強く望んできました。2019年7月には、利下げの要求に抵抗した当時の金融トップを更迭するという、大胆な人事権を行使したほどです。新体制に移行した中央銀行は、直近となる2020年1月までになんと5会合連続、合計で12.75パーセントという驚異的な幅の利下げを敢行しました。
その結果、主要な政策金利である1週間物レポ金利は11.25パーセントにまで低下しています。これは直近のインフレ率である12パーセントを下回る水準であり、いわゆる「実質金利がマイナス」の状況が生み出されました。投資家にとってはお金を預けても目減りすることを意味するため、海外からの資金が逃げ出すのではないかという懸念が広がっています。
しかし、アルバイラク財務相はこのマイナス金利への懸念に対しても、非常に楽観的な姿勢を崩していません。国債の利回りが低下し、その価格が上昇している事実を挙げ、「これこそが海外投資家たちによる強い関心と期待の表れである」と力説しました。政府の思惑通りに市場が動いていることをアピールし、経済の先行きに強い自信を覗かせています。
協調体制で挑む為替介入!リラ防衛へ向けた国営銀行の役割
さらに市場が注目しているのは、通貨リラを買い支えるための為替介入です。当局が3つの主要な国営銀行を経由して、意図的にリラを買い支えているという指摘に対して、財務相は新たな国家の仕組みを説明しました。2018年に大統領制へ移行したことで、中央銀行や国営銀行、民間銀行がかつてないほど緊密に連携できるようになったといいます。
財務相は「すべての金融機関が積極的な市場参加者となり、協調して金融の安定化に取り組むシステムが完成した」と述べました。さらに「今後もこの方針を継続する」と言明し、将来的な為替介入も辞さない姿勢を強く示唆しています。ネット上では「強引な介入は長続きしないのでは」と不安視するツイートも散見される状況です。
編集部としては、この一連の強気な政策には大きなリスクが潜んでいると考えます。為替介入によるリラ安の阻止は一時的な特効薬にはなり得ますが、中央銀行の独立性が軽視され続ければ、長期的な外貨調達は困難になるでしょう。目先の景気回復だけでなく、国際社会からの信頼をいかに勝ち取るかが、今後のトルコ経済の真の分水嶺となるはずです。
コメント