日産自動車の元会長であるカルロス・ゴーン被告の海外逃亡劇は、いまだに世界中で大きな波紋を広げています。こうした中、2020年01月09日の記者会見において森雅子法相が放った「被告が自らの無罪を証明するべきだ」という言葉が、国内外で大きな議論を巻き起こす事態となりました。
この発言に対して、インターネット上では瞬く間に批判の声が殺到することになります。特にSNSでは「近代司法の全否定ではないか」「法務大臣がこの認識で大丈夫なのか」といった、日本の司法への信頼を揺るがしかねない厳しいコメントが相次ぎました。
ゴーン被告のフランス人弁護人からも鋭いバッシングを受けるなど、国際的な批判にも発展しています。事態を重く見た森法相は、会見当日の夜に自身のツイッターで即座に内容を修正する事態に追い込まれました。
そして、2020年01月14日に開催された閣議後の記者会見の場で、森法相は先の言葉を「無罪を主張するべきだ」ときちんと訂正したのです。刑事手続きの基本に立ち返り、誤解を招く表現だったことを厳粛に認めました。
刑事司法の根幹を揺るがす「無罪推定の原則」とは?
ここで注目したいのが、今回の騒動の核心にある「無罪推定の原則」という専門用語です。これは、裁判で有罪が確定するまでは、どんな被告人であっても「罪のない人」として扱わなければならないという、近代法における大原則を指しています。
本来、刑事裁判では検察官側が「この人は有罪である」という証拠を示す責任を負っています。そのため、被告側がわざわざ「私は無実です」と証明する義務はないというのが、私たちが暮らす社会の公明正大なルールの基本なのです。
森法相も2020年01月14日の会見では、このルールが刑事手続きの土台をなす極めて重要なものであると改めて強調しました。法律のトップが基本を失念したかのような発言をしたことは、日本の司法への不信感を高める恐れがあったため、この訂正は当然の処置と言えるでしょう。
私は、国家の法を司る大臣だからこそ、言葉の重みに対して常に敏感であるべきだと考えます。たとえ逃亡した被告への怒りがあったとしても、感情に任せて司法の原則を捻じ曲げるような表現は、国際社会における国益を損なうことになりかねません。
森法相は、日本の素晴らしい司法制度を海外へ正しく周知するため、今後は英語以外の言語も駆使して情報発信を強化していく意向を示しています。今回の反省を生かし、国内外へ向けた透明性の高い対話がスピーディーに実践されることを切に願うばかりです。
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