日産自動車の元会長であるカルロス・ゴーン被告が、保釈条件を無視してレバノンへ逃亡したニュースは世界中に衝撃を与えました。しかし、安住の地と思われた現地でも、新たな激震が走っています。なんとレバノンの地元弁護士たちが、ゴーン氏を次々と国家の捜査当局へ告発したのです。
現地で単独取材に応じたハッサン・バジ弁護士は、レバノン国民がゴーン氏に対して激しい怒りを抱いていると語りました。その理由は、ゴーン氏が過去にイスラエルへ渡航し、経済的な取引を行っていたという疑惑にあります。中東の緊迫した情勢において、この行動は極めて重大な意味を持つのです。
ここで重要となる専門用語が「敵国通交罪」にあたる法的規制です。レバノンとイスラエルは激しい戦火を交えた歴史があり、現在も公的に敵対関係にあります。そのため、レバノンでは国民がイスラエルへ無断で入国することや、ビジネスを行うことが法律で厳格に禁止されているのです。
もしこの罪が裁判で認められた場合、ゴーン氏には3年から10年の禁錮刑が科される可能性があります。SNS上でも「日本から逃げ切ったと思ったら、まさか大敵の罠が待っていたとは」「レバノンの法律は甘くない」といった、急展開に驚くユーザーの声が相次いで寄せられました。
バジ弁護士の見立てでは、2020年01月07日にも当局がこの告発を受理するかどうかの判断を下す見通しとなっています。現在レバノン国内では大規模な反政府デモが続いており、政権側は国民の世論に対して非常に過敏になっているため、捜査に踏み切らざるを得ないという見方が有力です。
国際的な逃亡劇を巡っては、日本の大久保武大使も2020年01月07日にレバノンのアウン大統領と会談し、適切な協力を直接要請しました。日本政府としても、このままゴーン氏の違法な出国を看過するわけにはいかず、外交ルートを通じて厳しい姿勢を崩していません。
私個人の視点として、ゴーン氏は日本の司法から逃れるために自身のルーツであるレバノンを選んだのでしょう。しかし、グローバルに活動してきた彼自身の過去の足跡が、皮肉にも中東の地政学的なリスクというブーメランとなって自らに跳ね返ってきた形と言えます。
ただ、ゴーン氏はレバノン政権の中枢に深い人脈を築いているとも噂されています。国民の厳しい批判の目がある一方で、政治的な力が働いて捜査がうやむやになる可能性も否定できません。この先、現地当局がどのような司法判断を下すのか、世界中の注目が集まっています。
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