日産自動車の元会長であるカルロス・ゴーン被告が、フランスの自動車大手ルノーに対して驚きの行動に出ました。レバノンへの逃亡劇で世界中を震撼させたばかりの同氏ですが、今度は自身の退職手当の支払いを求めて法的手段に踏み切ったことが判明したのです。2020年1月13日付のフランス紙「フィガロ」が掲載したインタビューの中で、ゴーン氏自らがその詳細を堂々と語っています。彼の次なる狙いは、ルノーから「奪われた」と主張する莫大な権利の奪還にあるようです。
ゴーン氏は2019年12月末、フランスの労働裁判所に対して、退職手当として約25万ユーロ(日本円で約3000万円)の支払いを求める申し立てを行いました。労働裁判所とは、労働者と雇い主の間のトラブルを専門に扱う裁判機関のことです。インタビューの中で同氏は「ルノーでの私の辞任劇は茶番にすぎない」と一蹴し、退職に伴って発生するはずのすべての権利を断固として要求する姿勢を崩していません。その鼻息は非常に荒く、徹底抗戦の構えです。
さらにゴーン氏の要求は、3000万円の退職手当だけにとどまりません。彼は生涯にわたって受給できる予定だった年間約77万ユーロ(約9300万円)の年金や、ルノー側から支給を却下された業績報酬についても、支払いを求める構えをみせています。ルノー側は2018年の固定給100万ユーロは支払ったものの、受給条件を満たしていないとして他の支給を拒否しており、ゴーン氏が失った権利は最大で3000万ユーロ(約36億円)に上ると地元メディアは試算しています。
このニュースに対し、SNS上では「逃亡中なのに信じられない執念だ」「お金に対する執着心が常軌を逸している」といった驚きや呆れの声が続出しています。一方で「契約社会の欧州なら、法的に権利があるなら請求するのは当然の権利かもしれない」と、冷めた目で見守る意見も一部で見られました。逃亡劇に続くこの「おねだり裁判」は、彼がどれほど自分の権利に固執しているかを物語るエピソードとして、ネット上で大きな燃料となっています。
編集部の視点:ゴーン氏の「執念」がもたらす自動車業界への影響
筆者の視点として、今回のゴーン氏の行動は、単なる金銭欲を超えた「名誉挽回」のパフォーマンスであると感じます。巨額の報酬を得ていたカリスマ経営者が、逃亡生活の中でなおもルノーを相手に巨額の金を要求する姿は、一般市民の感覚からすれば強欲に見えるでしょう。しかし彼にとっては、自身の経営手腕に対する正当な対価を認めさせることが、自らの正当性を証明する唯一の手段なのかもしれません。ルノー側が沈黙を守る中、この泥沼の戦いは長期化する見通しです。
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