2019年11月29日現在、ものづくりの世界は大きな転換点を迎えています。世界屈指のベアリング(軸受け)メーカーである日本精工の内山俊弘社長は、これまでの「より速く、より小さく」といった単一の基準による競争から、価値観が複雑に絡み合う多様化の時代へとシフトしていることを指摘しました。SNSでは「ベアリングのような基礎部品が未来を変えるなんてワクワクする」「AIとメカの融合に日本の強みがある」といった期待の声が数多く寄せられています。
内山氏が描く未来では、人工知能(AI)とメカニカルな技術が対立するのではなく、互いに高め合う関係にあります。AIによって機械の動きをより精密に制御し、一方で機械の滑らかな動きがAIの持つ可能性をさらに引き出すという「相互作用」が重要です。この相乗効果こそが、新しい価値を創造する源泉になるでしょう。デジタル技術が進化しても、現実の世界で「動くもの」を支えるメカニカルな技術の重要性は、決して色褪せることはありません。
交差点で充電完了?夢のワイヤレス給電と環境技術
日本精工が現在取り組んでいるのは、既存の部品供給の枠を超えた壮大なプロジェクトです。その一つが、電気自動車(EV)が交差点で停車するだけで充電が可能な「ワイヤレス給電」の開発です。これはケーブルを繋ぐ手間を省くだけでなく、都市のインフラそのものを変える可能性を秘めています。さらに、自然のエネルギーを利用した「波力発電」の提案など、地球環境に貢献するソリューション開発にも積極的に挑んでいる事実は見逃せません。
ここで注目すべきは、リーダーシップの定義が変わろうとしている点です。内山氏は、自社製品の性能向上だけに満足するのではなく、一歩先の「未来の社会」を想像する力が不可欠だと説きます。社会が直面する課題を解決するための「ソリューション(解決策)」を提示できてこそ、真のリーダーと言えるでしょう。ベアリングという一見シンプルな部品を起点に、どれほど快適な生活を実現できるかという構想力が、令和のビジネスには求められています。
私自身の意見としては、こうした伝統的な技術と最先端技術の融合こそ、日本企業が世界で再び輝くための黄金律だと確信しています。単なるデジタル化ではなく、フィジカルな「動き」の美しさにこだわる姿勢は、効率性だけでは測れない情緒的な価値を生むはずです。私たちが想像もつかないような便利で心豊かな日常は、こうした未来への飽くなき探求心から生まれてくるに違いありません。
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