自動車の室内空間に、これまでにない「輝き」と「自由」がもたらされようとしています。大手自動車部品メーカーの豊田合成は、ワイヤレス給電技術を駆使して、車内の意匠性を劇的に向上させる新技術を製品化しました。2019年09月17日現在、この技術はトヨタ自動車が2018年11月に発売した高級SUV「レクサスUX」に採用されており、未来のドライブ体験を象徴する装備として注目を集めています。
SNS上では「エアコンのノブが光るだけで、夜のドライブの質が格段に上がる」「配線がないのに光る不思議さがガジェット好きにはたまらない」といった驚きの声が上がっています。これまでの車内装飾は、常に「断線」という物理的な制約との戦いでした。特に動くパーツに照明を組み込む場合、繰り返される動作によって配線が摩耗し、故障の原因となることが課題だったのです。豊田合成はこの難題を、魔法のような無線技術で解決しました。
今回、世界で初めて車載製品として実用化されたのは「磁界共振式」と呼ばれるワイヤレス給電です。一般的にスマートフォンの充電などで普及している「電磁誘導式」は、送電側と受電側がほぼ密着していなければなりませんが、磁界共振式は数センチメートル離れていても電力を供給できます。特定の周波数で磁場を共振させることで、離れた場所にある受電機にエネルギーを飛ばす仕組みであり、まさに技術の結晶と言えるでしょう。
断線の不安を解消!「磁界共振式」がもたらす圧倒的な耐久性
レクサスUXのエアコン吹き出し口(レジスター)に備えられた操作ノブは、上下左右に動かすたびに過酷な負荷がかかります。従来の有線方式では、約6000回の操作で断線のリスクが高まるとされていましたが、非接触給電の採用によりその懸念は完全に払拭されました。可動部と電源を物理的に切り離すことで、どれだけ操作しても安定してLEDを光らせ続けることが可能になったのです。これは耐久性と美しさを両立させる画期的な手法です。
安全性への配慮も万全を期しています。特殊な周波数帯を採用することで、他の車載電子機器や乗員のペースメーカーへの影響を徹底的に排除しました。開発期間は通常の半分にあたる約2年という強行軍でしたが、短期間で世界初の技術を形にした同社の開発力には目を見張るものがあります。私自身、こうした「目立たない場所での技術革新」こそが、ブランドの信頼性を支え、ユーザーの所有満足度を底上げする鍵になると確信しています。
CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の荒波が押し寄せる中、車内は単なる移動空間から「くつろぎの居住空間」へと変貌を遂げつつあります。豊田合成の技術戦略室は、今後この技術をドアやコンソールなど、あらゆるパーツへ展開していく意気込みを見せています。配線の束縛から解き放たれたデザイナーたちが、次にどのような「光の演出」を提案してくれるのか、今後の進化から目が離せません。
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