世界的な自動車部品メーカーである日本精工が、2019年6月14日、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)との新たな技術提携を発表しました。これは、自動車のステアリング、つまりハンドル操作を補助するシステムの革新を目指した共同開発で、両社の開発部門で構成されるプロジェクトチームが月内にも発足する見通しです。この連携は、今後3年から4年以内の製品化を目標に掲げており、自動車業界の大きな潮流である電動化や自動運転への対応を加速させる重要な一手となるでしょう。
これまでも日本精工は、VWの中小型車に対して電動パワーステアリング(EPS)を供給してきた実績があり、確かな信頼関係を築いています。パワーステアリングとは、自動車のハンドル操作に必要な力を電気や油圧で軽減し、運転を楽にするシステムのことです。特に、環境性能の向上や燃費改善に貢献する電動式は、現在の主流になりつつあります。今回、VWが自社の部品内製部門を持ちながらも、長年の取引先である日本精工の高度な技術的ノウハウを協業によって得られると判断したことは、日本精工の技術力が世界トップクラスであることを示しているといえるでしょう。
日本精工にとって、今回の共同開発は自社の製品競争力を高める絶好の機会となりそうです。新製品の開発プロセスで得られた専門的な知識や技術を、今後の自社製品開発にも活用し、技術的な蓄積をさらに深めることができるからです。ベアリング(軸受け)製造を祖業とする日本精工ですが、2019年3月期の事業売上高約6897億円のうち、実に約7割を自動車事業が占めており、その成長戦略において自動車部品は紛れもない屋台骨でございます。
しかしながら、その主力のEPS市場でも事業環境の変化は避けられません。日本精工がこれまで得意としてきたのは、ハンドルの近くにモーターを配置して運転操作をアシストするタイプの製品です。ところが最近では、特に大型車を中心に、車軸の近くで補助を行う「ラックEPS」と呼ばれるタイプの需要が拡大しています。ラックEPSは、より大きな車両の操舵をアシストするのに適しているといわれており、このトレンドへの対応は急務となっています。
さらに、自動車の電動化(EV)や自動運転技術の進化は、ステアリングシステムに求められる要求を劇的に変化させています。単に運転を楽にするだけでなく、自動運転時には車両からの正確な指示を受けて緻密な制御を行う高度な機能が不可欠です。こうした技術革新への迅速な対応と、次世代を見据えた新製品の開発は、グローバルな自動車部品サプライヤーとしての地位を維持し、将来の成長を確実なものにする上で、最優先の課題といえるでしょう。
この日本精工とVWの提携のニュースは、業界内外で大きな反響を呼んでいます。特にSNS上では、「日本の部品メーカーの技術力が世界で認められた証拠だ」「自動運転に必要な技術開発が進むのは期待大」「環境対応車シフトで日本企業が重要な役割を果たす」といった、技術力への賞賛と未来への期待を示すコメントが多く見受けられました。グローバル市場を牽引するVWとの提携は、日本精工の技術開発力に確固たる自信を与えるだけでなく、世界の自動車技術の進化を加速させる触媒となるでしょう。今後の進展から目が離せません。
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