ポルシェが挑む「CASE」の波!EV、シェアリングでブランドの魅力と稼ぐ力はどう進化する?

高級スポーツカーブランドの代名詞ともいえるポルシェが、今、自動車業界の大きな変革の波「CASE」に真剣に向き合っています。CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Sharing(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった言葉で、自動車のあり方を根本から変える新しいトレンドの総称です。伝統と圧倒的なブランド力を持つポルシェですが、この新潮流を素通りすることはできません。

ポルシェの日本市場における勢いは目覚ましく、2018年には7,166台を販売し、なんと9年連続で販売台数を伸ばしているのです。これはリーマン・ショック後の2009年と比較してほぼ倍増という驚異的な成長ぶりで、その根底には「ポルシェ」という唯一無二のブランドが持つ熱狂的なファンを魅了する力が存在しています。しかし、時代の流れとともに、自動車を取り巻く消費者の価値観は変化しつつあると言えるでしょう。

特に、今後の消費の主役となる「ミレニアル世代」(2000年代に成人・社会人になる世代)は、「所有」することにこだわらない傾向が強く、カーシェアリングなどの「サービス」を利用する形態が浸透し始めています。もちろん、「カーガイ」(熱心な車好き)がいなくなるわけではありませんが、幅広い層の顧客を取り込むためには、シェアリングといった新たなニーズにも応えるサービス体制を整える必要が出てきています。

この変化に対応するため、ポルシェはブランドの新たな魅力を築こうとしています。その一つが、いよいよ本格化する電気自動車(EV)の投入です。環境性能と最先端技術を取り入れたEVによって、伝統的なスポーツ性能だけでなく、未来志向のブランド像を打ち出すことが期待されます。また、サーキット体験などのイベントを通じて、ポルシェの卓越した走行性能を直接肌で感じてもらう機会を増やし、顧客との接点(タッチポイント)を拡大する戦略も重要になってきます。

実際に、他社の事例を見てみましょう。ドイツのBMWも、2016年に自社ブランドと「MINI」の主要モデルに試乗できる体験型ショールームを東京都江東区にオープンさせています。こうした体験を通じたアプローチは、顧客にブランドへの共感を促し、エンゲージメントを高める効果があるといえるでしょう。SNSでも、「高級車の敷居が下がって体験しやすくなった」「ポルシェもシェアできる時代が来るのか」といった期待や驚きの声が散見されており、新しい体験への関心の高さがうかがえます。

2,000万円以上するスーパーカーなどの超高級車は、趣味性が極めて高く、その希少性から「所有すること自体に価値がある」という側面が強いでしょう。ポルシェにも「911」のようなフラッグシップモデルでこの価格帯がありますが、一方で、多目的スポーツ車(SUV)の「マカン」など1,000万円以下の人気モデルも多く、幅広い顧客層から選ばれているのが特徴です。

私見ですが、ポルシェにとって大切なのは、「911」などの名車で培った**ブランドの『輝き』を絶対に失わないことです。その上で、シェアリングのような新潮流のビジネスモデルにおいても、安定して利益を上げる『稼ぐ馬力』**をいかに発揮できるかが、今後のポルシェの成長を左右するでしょう。伝統的なスポーツカーの魅力と、未来を見据えたCASEへの対応力が試されている、まさに正念場に立っているのです。

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