テレビ番組がいつでもどこでもスマホで見られる時代が、いよいよ本格的に幕を開けようとしています。日本民間放送連盟(民放連)の大久保好男会長は2020年01月28日の定例記者会見にて、NHKが目前に控えたネット同時配信サービスに対して、節度ある運営を行うよう強く牽制しました。民間の放送局と競合して市場を圧迫しないよう、これからの動きを厳しく監視していく意向を示しています。
今回の発言の背景には、NHKが2019年12月にインターネット事業費の基準案を修正した経緯があります。東京オリンピック関連を除くネット業務費用を、従来通り受信料収入の2.5%以内に収めるという内容に改められました。大久保会長はこの修正について、民放側が求めてきた「肥大化への抑制」が考慮された結果であると捉え、一定の理解を示しつつも釘を刺すことを忘れていません。
ネット上ではこのニュースに対し、「いつでもNHKが見られるのは便利」「受信料の二重取りにならないか心配」といった期待と不安の声が入り乱れています。さらに民放のネット配信の遅れを指摘する厳しい意見も散見され、ユーザーの関心の高さが伺えるでしょう。テレビの価値が再定義される過渡期だからこそ、視聴者の目線も自然と厳しくなっているのが現状です。
ここで注目したいのが、組織の不正を防ぎ健全な運営を行うための仕組みである「ガバナンス(企業統治)」の強化です。大久保会長は、業務や受信料、ガバナンスを一体として見直す「三位一体の改革」をNHKに改めて要求しました。公的な資金とも言える受信料で成り立つ巨大組織だからこそ、民間企業以上に透明性の高いクリーンな組織体制が求められるのは当然だと言えます。
総務省の認可を受けたNHKは、注目の新サービス名を「NHKプラス」と発表し、具体的な実施計画を公表しています。まずは2020年03月01日から、午前7時から翌日午前0時までの1日17時間、試験的な提供を開始する予定です。その後、2020年04月01日からは本サービスへと移行し、午前6時から翌日午前0時までの1日18時間にわたって、ネット上で番組を同時配信することになります。
私個人の意見として、このネット同時配信はテレビ離れが進む若者世代を呼び戻す大きなチャンスだと確信しています。しかし、潤沢な受信料を原資とするNHKがネットの世界で独走すれば、広告収入に頼る民放の経営を脅かしかねません。双方が健全に切磋琢磨できる環境を作ることこそが、結果として私たち視聴者に最大の利益をもたらすのではないでしょうか。
大久保会長は民放各社のネット同時配信への参入について、最終的には個別企業の経営判断であると語りました。その一方で、「NHKとは異なり、民放事業者は利益を生み出せるビジネスモデルが確立できないと、そう簡単に一歩を踏み出すことはできない」とも吐露しています。収益性の壁に直面する民放各社が、今後どのような対抗策を打ち出すのか目が離せません。
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