ニトリやセブンが牽引!2月決算企業の2割が過去最高益を達成した「稼ぐ力」の秘密とは?

厳しい経営環境が続く中でも、独自の強みを持つ企業は確実にファンを増やしているようです。日本経済新聞がまとめた2月期決算企業における2019年3月から2019年11月までの業績調査によると、対象企業の約2割にあたる44社が過去最高の純利益を記録しました。全体の利益は前年より4%ほど落ち込んでいるものの、5社に1社が最高益を叩き出している計算になります。人口減少や人手不足といった深刻な逆風を跳ね返す、強い企業の「勝ちパターン」が見えてきました。

ネット上やSNSでもこの業績発表は大きな話題を呼んでいます。「やっぱり自社製品が強いところは不況でも買いに行く」「身近なあの店が海外でも成功しているのは日本人として誇らしい」といった、納得や応援の声が多数寄せられました。一方で、明暗がくっきりと分かれた現状に対して「消費者の財布の紐が固くなっているからこそ、本当に価値のあるものだけが選ばれているのではないか」という、鋭い分析を呟くユーザーも見受けられます。

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圧倒的な商品力と効率化で魅せる国内の主役たち

最高益を達成した代表格といえば、1699億円の純利益を記録したセブン&アイ・ホールディングスでしょう。同社は、自社で企画から開発までを手がけるプライベートブランド(PB)と呼ばれるオリジナル食品の開発に力を注いできました。広告費の削減など、本部運営をスマートにする経営努力も実を結んでいます。また、家具大手のニトリホールディングスも、中間マージンを省いて低価格と高品質を両立させるPB商品が高い支持を集めました。

エンターテインメント業界では、東宝が華々しい成果を上げています。同社が製作に出資し、自らのネットワークで全国の映画館へ作品を届ける「配給」を行った映画『天気の子』が大ヒットを記録しました。こうした話題作の連発が、同社の業績を大きく押し上げる原動力となっています。専門用語でいう「配給」とは、映画を上映する権利を映画館に売り、プロモーションを行う業務のことで、ヒット時のリターンが非常に大きいビジネスモデルです。

日本の外へ飛び出す企業と人手不足を味方にする企業

国内市場の縮小を見据え、海外に活路を見出す企業の躍進も目立ちます。イオンモールは中国やベトナムなどのアジア圏で、まだライバルが少ない郊外への出店を強化してきました。現地での知名度が高まるにつれて、ファミリー層を中心とした来店客が急増しています。セブン&アイもまた、北米でのコンビニ事業が絶好調で全体の成長を引っ張る形となりました。日本の緻密なビジネスモデルは、今や世界のスタンダードになりつつあると言えるでしょう。

一方で、多くの内需企業を苦しめている人手不足という深刻な社会問題を、見事に追い風へと変えたのがディップです。同社が運営する求人情報サイト「バイトル」は、労働力を求める企業からの掲載依頼が殺到しました。求人ニーズを的確に捉え、実際の就職へと結びつけるマッチング力が冴え渡っています。世の中の困りごとを解決するサービスがいかに強いかを示す、まさに現代のビジネスの縮図のような素晴らしい逆転の発想です。

編集部が読み解くこれからの課題と懸念材料

今回の決算発表を振り返ると、企業が生き残るためのヒントが詰まっていると感じます。これからの時代は、ただ安いものを売るのではなく「この店でなければ買えない」という独自の価値(PBや限定コンテンツ)を作れるかどうかが生死を分けるでしょう。また、国内がダメなら海外へという柔軟な視野の広さも不可欠です。市場のせいにせず、時代の変化に合わせて自らをアップデートし続ける姿勢こそが、最高益という輝かしい結果をもたらしたのだと考えます。

しかし、楽観視ばかりはしていられません。「無印良品」を展開する良品計画のように、事前の業績予想を下方修正せざるを得なくなった企業も散見されます。2019年10月1日に行われた消費税率引き上げにともなう買い控えの反動は、想像以上に現場へ影を落としているようです。さらに今後は、新型肺炎の感染拡大にともなう訪日中国人客の減少という新たな不安要素も浮上しており、小売業界や観光業界にとっては厳しい舵取りが続くでしょう。

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