スマホ決済が破滅への入り口に!?若者を追い詰める「見えない多重債務」の恐怖とリボ払いの罠

現代の生活に欠かせないものとなったスマートフォンですが、その便利さの裏で、若い世代を中心に深刻な経済的危機が忍び寄っています。実は、複数の事業者からお金を借りて返済が困難になる「多重債務者」が再び増加傾向にあるのです。融資額を厳しく制限する法律が施行された2010年度以降、その数は減少を続けていましたが、ここへ来て風向きが変わりました。直近のデータによると、その数は約120万人にまで膨れ上がっており、社会に大きな衝撃を与えています。

政府が「3つ以上の業者から無担保でローンを借りている人」と捉える多重債務者ですが、かつてのように生活苦から借金を重ねるケースとは、明らかに様相が異なっています。SNS上でも「気づかないうちに財布の紐が緩んでいた」「アプリの決済だとお金を払っている感覚が薄れる」といった声が続出しているのです。まさに、スマホによる手軽な買い物と、指先一つで完了する簡便な借り入れの仕組みこそが、現代の若者を無自覚な借金地獄へと誘う引き金になっています。

具体的な転落パターンを見てみましょう。多くの若者は、ポイント還元をお目当てにクレジットカードを作成し、それをスマホのQRコード決済に紐付けることからスタートします。コンビニでの買い物から光熱費に至るまで、すべての生活費をカードの「リボ払い」に設定してしまうのです。このリボ払いとは、利用金額にかかわらず毎月の支払額を一定に抑えられる仕組みですが、手数料が高く、いつの間にか元金が減らなくなるという恐ろしい罠が潜んでいます。

返済日になって口座にお金がないことに気づいた若者は、焦ってスマホから新たな借金を重ねてしまいます。日本信用情報機構の発表によると、3件以上の無担保ローンを抱える人は2019年12月末時点で121万人に達しました。1人あたりの平均ローン残高は約53万円と横ばいですが、これは少額の新規利用者が爆発的に増えている証拠と言えます。最終的に、カードを含めた負債総額が200万円を超えるケースも決して珍しくありません。

ネット通販では、カードがなくても買い物ができる「ツケ払い」などの後払いサービスが若者の間で大流行しています。さらに消費者金融側も、スマホアプリを使った「最短15秒審査」といった手軽さを全面的に打ち出しており、かつての無人契約機よりも心理的ハードルが格段に下がりました。実際に、日本貸金業協会の調査でも、新たな融資の申し込みの4割以上がネット経由となっており、街中の店舗数が減少する一方で、ネット上の誘惑は増しています。

私は、このキャッシュレス社会の進展こそが、若者の金銭感覚を麻痺させる最大の要因であると考えます。お金の物理的な移動が見えないからこそ、分不相応な消費に走りやすくなるのは必然です。国民生活センターや日本弁護士連合会も2019年9月にこのリスクを警告していますが、もはや個人の自己責任論だけで片付けられる問題ではありません。国や企業は、若年層に対する金融教育を徹底し、決済の利便性と引き換えに失われるリスクを周知すべきです。

司法統計を見ても、個人の自己破産申請件数は2015年の約6万4000件を底に、増加へと転じています。2019年も約7万3000件に達する見込みであり、事態は一刻を争います。利便性を追求した結果、若者が未来の自由を担保に借金を背負うような社会であってはなりません。私たちは今一度、スマホの画面越しにある「本当の代償」に目を向け、賢い消費者として自衛の手段を身に付ける必要があるでしょう。

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