2020年1月31日、コナミホールディングス株式会社の株価が市場を大きく揺らしました。前日比で一時9%、金額にして405円もの下落を記録し、4115円という約1年3カ月ぶりの安値水準まで値を下げたのです。この急落の背景には、前日に発表された2019年4月1日から2019年12月31日までの連結決算が大きく関係しています。今回の決算を受け、機関投資家と呼ばれる大口の運用機関がこぞって売り注文を出し、結果として終値でも前日比6%安の4240円という低調な着地となりました。
投資家の注目を集めたのは、2020年3月期通期の業績見通しが下方修正されたという事実です。特に市場に衝撃を与えたのは、国際会計基準で示された連結営業利益が前年同期比で39%減となる239億円に留まったことでしょう。これは証券各社の予想を集計したQUICKコンセンサスの348億円を大きく下回る水準でした。本来、株価は将来の利益を織り込んで形成されますが、予想を下回る数字は投資家の期待を大きく裏切る結果となり、売りを呼ぶ連鎖反応を引き起こしたと考えられます。
なぜ業績は伸び悩んだのか?
今回の決算において特に重くのしかかった要因の一つに、「減損損失」の計上があります。これは固定資産などの価値が低下した際に、帳簿上の価格を実態に合わせて切り下げる会計処理のことです。今回、コナミが運営するスポーツクラブ事業において62億円もの損失が計上されました。昨今、街中には24時間営業の格安ジムが急増しており、競争環境が劇的に変化しています。コナミも学校の水泳授業受託など新しい試みで活路を見出そうとしていますが、かつてのような勢いを取り戻すには時間がかかりそうです。
さらに、企業の稼ぎ頭であるゲーム事業の現状も投資家の不安を煽っています。スマートフォン向けや家庭用ゲーム機向けの既存タイトルは根強い人気を維持し、増収には貢献しているものの、肝心な新作ゲームが期待ほどの成果を上げられていません。加えて、次世代タイトルに向けた研究開発費の先行投資が膨らんでいることも利益を圧迫する要因となっています。純利益の通期予想を従来の計画から90億円も引き下げ、前年比39%減の210億円とする姿勢には、今のコナミが抱える苦悩が凝縮されていると言えるでしょう。
SNSの声と今後の展望
この急落を受け、SNS上では多くの個人投資家から不安の声が上がっています。「やはりジム事業の立て直しは容易ではない」「新作ゲームのヒットがないと厳しい」といった悲観的な見方が大半を占めています。一方で、証券ジャパンの大谷正之氏が指摘するように、市場では「18年秋の安値水準に近づいたことで、ようやく底を打ったのではないか」という底値買いを意識した冷静な分析も出始めています。実際に売買代金が約1年9カ月ぶりの規模まで膨らんだことは、絶好の買い場と捉えた投資家による活発な取引があった証拠です。
私個人としては、今回の株価調整は長年同社を支えてきたゲームとスポーツの二本柱が、共に転換期を迎えているというメッセージであると考えています。変化の激しいエンターテインメント業界において、既存の枠組みだけで成長し続けるのは非常に困難です。今回の厳しい数字を「成長痛」と捉えられるか、それとも長期低迷の兆しと判断するか。市場参加者は今、コナミの次の一手である「抜本的な事業変革」を見極めようと、固唾を飲んで注視している状況でしょう。
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