2020年2月5日、産業界に大きな動きがありました。日立化成は、発電設備などに搭載される産業用電子部品事業を、中国の南通江海電容器へ売却すると発表したのです。譲渡完了は2020年4月1日を予定しており、売却額は明らかにされていません。昨今の市場において、中国メーカーの台頭による価格競争は熾烈を極めており、本事業も収益性の確保に苦慮していたことが大きな要因と言えるでしょう。
今回譲渡の対象となったのは、電子回路において電気を蓄えたり放出したりする「コンデンサー」という重要な部品と、その製造に欠かせないフィルム関連の事業です。コンデンサーは、いわば電子機器の心臓部を支える役割を担っていますが、汎用品としての側面が強く、技術的な差別化が難しくなっているのが現状です。実際に2019年3月期の売上高は88億円を記録していましたが、事業環境の厳しさは否めません。
昭和電工との統合に向けた「選択と集中」
このニュースを受けてSNS上では、日立化成の経営判断に対して「時代の転換点を感じる」「これからの再編が楽しみ」といった声が上がっています。多くのユーザーは、今回の売却が単なる撤退ではなく、次なる成長を見据えた戦略的なステップであると捉えているようです。企業が生き残るためには、採算性の低い事業を整理し、注力すべき分野にリソースを集中させる「選択と集中」が不可欠であり、今回の決断はまさにその体現と言えるのではないでしょうか。
背景には、2020年春に控えた大きな経営イベントの存在があります。日立化成は、総合化学メーカーである昭和電工の完全子会社となる予定です。この統合を控え、高収益体質への転換が急務となっているため、今後もさらなる事業の選別や再編が加速する可能性が高いと考えられます。化学業界全体が激動期を迎える中、どのようなポートフォリオへ変貌を遂げるのか、引き続き注視していきたいものです。
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