日本の研究力は復活するか?2021年度「第6期科学技術基本計画」策定へ向けた国家戦略の転換点

日本の科学技術が、今まさに大きな岐路に立たされています。2019年12月06日現在、政府は2021年度からスタートする「第6期科学技術基本計画」の策定に向けた本格的な議論を開始しました。1996年に始まったこの計画は、日本の国際競争力を左右する極めて重要な指針ですが、近年の日本は研究力の低下が叫ばれて久しく、今回の見直しにはかつてないほどの期待と緊張感が漂っています。

SNS上では「若手研究者のポスト不足を解消してほしい」「現場に届く予算配分を」といった切実な声が溢れており、政策の実行力を問う意見が目立ちます。1995年に成立した「科学技術基本法」という、国の科学技術振興の土台となる法律そのものの改正も視野に入っており、まさに国を挙げた「イノベーション(技術革新による社会変革)」の再定義が行われようとしているのです。

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「選択と集中」の功罪と失われた投資目標

過去の計画を振り返ると、1996年度からの第1期では政府の研究開発投資を対GDP比1%にするという明確な数値目標が、投資拡大を牽引した成功体験がありました。しかし、2001年度からの第2期で導入された「選択と集中」という、ライフサイエンスやITなどの重点分野を絞って予算を投じる手法は、結果としてそれ以外の基礎研究を細らせたのではないかという懸念も生んでいます。

実際に第2期以降の投資目標額は、厳しい財政事情から達成できない状況が続いています。現在進行中の第5期で掲げられた「26兆円」という目標も、2019年12月06日時点の予測では達成が極めて困難な見通しです。編集部としては、単なる予算のバラマキではなく、未来への投資としていかに「死に金」を作らない仕組みを構築できるかが、第6期の最大の焦点になると考えています。

Society 5.0の再定義と若手支援への期待

現在の第5期計画で登場した「Society 5.0(ソサエティー5.0)」という言葉をご存じでしょうか。これは狩猟、農耕、工業、情報に続く「5番目の新しい社会」を指す日本発のコンセプトです。しかし、この理念が一般社会や研究現場に十分に浸透しているとは言い難いのが現状でしょう。今回の議論では、この概念をより具体化し、環境問題やプラスチックごみ問題などの社会課題解決に結びつける方向性が示されています。

最も深刻なのは、論文数などのデータに現れている日本の相対的な地盤沈下です。どれほど壮大なビジョンを掲げても、それを支えるのは一人ひとりの研究者です。2021年度からの新計画では、長年放置されてきた若手研究者の育成支援や、未知の可能性に挑む基礎研究の強化に、より実効性のある策が盛り込まれるべきでしょう。政策の乱立を整理し、現場が研究に没頭できる環境を取り戻すことこそが、日本再生の唯一の道であると確信しています。

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