【2019年最新】アルミ需要が19カ月ぶりプラス成長!自動車・建材が牽引する市場の裏側とは?

アルミニウム業界に、久々に明るいニュースが飛び込んできました。日本アルミニウム協会が2019年09月02日に発表した統計によれば、2019年07月のアルミ圧延品の総出荷量は前年同月比で2.5%増加し、17万6875トンを記録しています。実に1年7カ月ぶりにプラスへと転じたこの数字は、停滞気味だった素材市場にとって大きな転換点と言えるのではないでしょうか。

今回のV字回復の背景には、いくつかの明確な要因が存在します。まず大きな要因として挙げられるのが、前年である2018年07月に発生した西日本豪雨による反動増です。当時は甚大な災害によって物流や製造ラインが停滞し、出荷が大きく落ち込みました。その反動もあり、飲料缶向けの素材である「缶材」の出荷が順調に伸びたことが、全体の数字を押し上げる原動力となったのです。

SNS上では、このニュースに対して「ようやくアルミ景気が底を打ったのか」「自動車軽量化の流れは本物だ」といった期待の声が上がっています。特に注目を集めているのが、自動車向け板材の驚異的な伸びです。燃費性能を向上させるために車体を軽くする「軽量化」は、現代の自動車開発において避けては通れない課題となっており、鉄に代わる素材としてアルミの存在感が増していることを裏付けています。

ここで「圧延(あつえん)」という言葉について解説しましょう。これは、熱した、あるいは常温の金属を2つの回転するロールの間に通し、圧力をかけて薄い板状や棒状に加工する技術を指します。いわば、麺棒で生地を薄く伸ばすようなイメージですね。今回の統計で示された「板類」は、この技術によって作られたアルミ板が19カ月ぶりに増加に転じたことを示しており、製造業の活気が戻りつつあることが伺えます。

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建設・自動車が支える堅調な需要と、米中摩擦の影

建設現場でも、アルミ製品の活躍が目立っています。窓枠などのサッシだけでなく、最近ではアルミフェンスの需要が急増しました。これは、過去の地震災害を受けて、重量のあるブロック塀から、より安全で軽量なアルミ製フェンスへと切り替える「代替需要」が高まっているためです。私たちの暮らしの安全を守るために、アルミが重要な役割を果たしているという事実は、非常に興味深いポイントではないでしょうか。

一方で、手放しでは喜べない側面も無視できません。スマートフォンや家電製品の心臓部ともいえる「コンデンサー(電気を一時的に蓄える部品)」に使われるアルミ箔の出荷は、前年比で約34%も激減しています。これは現在進行形である「米中貿易摩擦」の長期化が、中国市場を中心としたハイテク機器の需要を冷え込ませていることが原因です。マクロ経済の動向が、私たちの身近なデジタルデバイスの素材供給にまで影を落としています。

編集者の視点から見れば、今回の出荷増は「内需の底堅さ」と「外需の不安定さ」という二面性を浮き彫りにした結果だと感じます。自動車や住宅建材といった国内の生活に直結する分野は好調ですが、グローバルな貿易の影響を受ける電子部品分野は依然として厳しい冬の時代にあります。この先、世界情勢がアルミ市場全体にどのような波紋を広げるのか、今後も注視していく必要があるでしょう。

最後に、アルミという素材のポテンシャルを再確認しておきたいと思います。リサイクルが容易で環境負荷が低いアルミは、SDGsへの意識が高まる現代において、今後ますます価値が高まっていくはずです。2019年07月の結果は一時的な反動増の側面もありますが、自動車の電動化やインフラの再整備といった長期的なトレンドに支えられ、さらなる成長が期待される分野であることは間違いありません。

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