関西経済界に多大な影響を与えた関西電力の元会長、小林庄一郎氏が2020年2月4日午後5時50分、心不全のため97歳でこの世を去りました。日本の高度経済成長期から長期にわたり、関電の舵取り役として君臨した氏の訃報を受け、SNS上では経済界の関係者のみならず、多くのビジネスパーソンから惜しむ声や、その偉大な業績を讃える投稿が相次いでいます。
小林氏は東京大学経済学部を卒業後、1947年に関西電力の前身である関西配電に入社しました。戦後の混乱期からインフラを支え続け、1977年に社長、1985年に会長へ就任して以来、1997年まで長きにわたって同社のトップとして辣腕を振るいました。その経営者としての手腕は極めて高く評価されており、特筆すべきは「TQC」への深い洞察でしょう。
TQCの推進と関電の組織改革
氏が社長時代に邁進した「TQC」とは、全社的品質管理(Total Quality Control)のことです。これは単なる製品の品質管理にとどまらず、経営のあらゆる側面において組織全体で品質向上を図り、顧客満足を追求し続けるマネジメント手法を指します。小林氏はこの手法をいち早く取り入れ、組織の体質強化に成功しました。その功績は、「デミング賞本賞」の受賞という形で、経営者としての歴史に深く刻まれています。
また、1987年2月26日の取締役会で、当時の実力者であった芦原義重名誉会長の退任を決断した出来事は、日本の経済界に大きな衝撃を与えました。この大胆な経営判断は、のちに「関電二・二六事件」と揶揄されるほどの注目を集め、旧来の権力構造を打破する象徴的な一幕として、現在でも語り草となっています。組織の健全な発展を考え抜いた末の、非常に重い決断だったのではないでしょうか。
関西経済界の重鎮としての功績
社業のみならず、関西経済連合会の副会長としても1977年から1994年まで尽力し、地域経済の発展に多大なる貢献を果たしました。私は、変化を恐れず、常に品質と組織のあり方を問い続けた氏の姿勢こそ、現代のリーダーに必要な資質であると感じます。小林庄一郎氏が築き上げた、誠実かつ果敢な経営のバトンは、これからも多くの経営者の指針であり続けることでしょう。
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