仕事中の事故、賠償金は会社も負担すべき?最高裁で大注目の「労使分担」裁判にSNSでも賛否両論!

私たちが仕事中に万が一、重大な事故を起こしてしまったら、その賠償金は一体誰が支払うべきなのでしょうか。現在、ビジネスパーソンの間で大きな関心を集める注目の裁判が、いよいよ大詰めを迎えています。仕事中の人身事故を巡り、損害賠償を個人がどこまで背負うべきなのかという労働環境の根幹に関わる問題について、2020年02月07日に最高裁判所第2小法廷で、両者の言い分を聴く「弁論」が行われました。

この裁判の行方に対して、インターネット上でも非常に多くの意見が飛び交っています。「会社のために働いているのだから、すべての責任を個人に押し付けるのは酷すぎる」という従業員目線の同情が集まる一方で、「命を奪うような重大な過失まで会社が肩代わりするとなれば、運転手のモラルハザード(倫理観の欠如)を招きかねない」といった厳しい経営者目線の懸念も寄せられ、議論が白熱している状況です。

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運送会社の女性運転手が起こした悲しい事故と、これまでの司法判断

事の発端は、2010年に運送会社でドライバーとして勤務していた女性が、業務中に死亡事故を起こしてしまったことにあります。女性は被害者のご遺族に対して、約1500万円という巨額の賠償金を自ら支払いました。その後、女性は「仕事中の事故なのだから、勤務先も応分の負担をしてほしい」として、会社側に賠償金と同額の支払いを求めて裁判を起こしたのです。

ここで重要となる法律が、民法715条に定められている「使用者責任(しようしゃせきにん)」という考え方です。これは、従業員を使って利益を上げている企業は、その活動から生じた損害やリスクに対しても責任を負うべきだという、近代法律の基本的な原則に基づいています。しかし、この法律をどう解釈するかによって、一審と二審の裁判所の判断は180度異なる結果となりました。

第一審の大阪地方裁判所は、「損害の公平な分担」という観点から女性の請求を認めました。勤務態度などを考慮した結果、会社側に約830万円の支払いを命じたのです。これに対して、第二審の大阪高等裁判所は「賠償の第一責任者はあくまで本人」と指摘し、会社へのお金の請求は一切認められないという、労働者にとっては非常に厳しい逆転判決を言い渡しました。

編集部が斬る!最高裁の弁論が意味することと、2月28日の判決への期待

私は、この問題において「会社側の責任」は決して免除されるべきではないと考えます。確かに事故を起こした本人の過失は重いですが、労働者を管理し、それによって利益を得ている企業がリスクを全く負わないというのは、あまりにも不条理ではないでしょうか。過酷な労働環境や運行スケジュールが事故の引き金になるケースも少なくないため、一定の割合で会社が責任を分担する仕組みは不可欠です。

最高裁判所は、第二審の結論を変更する際にあらかじめ弁論を開くという慣例があります。そのため、今回の弁論実施は、高裁の「従業員が全額負担」という冷徹な判断が見直される可能性を強く示唆しているでしょう。労働者の権利と企業の責任のバランスをどう取るのか、日本中の働く人々が見守る中、運命の判決は2020年02月28日に言い渡される予定です。

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