2019年12月02日、忘年会シーズンが本格化する中で飲食業界が揺れています。近年、スマートフォンから手軽に予約ができる利便性の裏で、連絡なしに店に現れない「無断キャンセル」が深刻な社会問題となっているのです。
「とりあえず席を確保したい」という軽い気持ちが、実は店側に甚大な被害を与えています。東京・歌舞伎町のバーでは、40名もの予約を無断で破棄した客に対し、ついに司法のメスが入りました。店側が損害賠償を求めて提訴したのです。
裁判所は2018年03月、予約者に全額の支払いを命じる画期的な判決を下しました。これまでは「泣き寝入り」が一般的だった業界において、法的な対抗手段を講じる動きが広まっている事実は、消費者にとって大きな警告といえるでしょう。
SNS上でも「これだけの大損害なら訴えられて当然」「マナーの問題ではなく立派な営業妨害」といった、店側を支持する厳しい声が相次いでいます。予約という行為が、法的な契約であることを再認識すべき時が来ています。
悪質なケースには警察も動く!偽計業務妨害とは
単なる過失に留まらない悪質なケースでは、刑事罰に問われることもあります。2019年11月、東京・有楽町の居酒屋に偽名で大量の架空予約を入れた男性が、偽計業務妨害の疑いで逮捕されるという事件が発生しました。
ここでいう「偽計業務妨害」とは、人を欺いたり、他人の勘違いを利用したりして、正常な業務を妨げる犯罪を指します。個人的な嫌がらせのつもりであっても、店の営業を混乱させれば、逮捕という重い代償を払うことになります。
経済産業省の調査によれば、こうした無断キャンセルによる飲食業界全体の損失額は、年間で約2000億円という天文学的な数字に上ります。食材の廃棄や人件費の無駄だけでなく、他のお客様が座れたはずの機会損失も含まれます。
多くの店舗が加盟する連合会は、2018年11月にキャンセル料請求の明確なガイドラインを策定しました。コース料理なら全額、席のみでも平均客単価をベースに請求できる仕組みが整い、もはや逃げ得は許されない状況です。
編集者の視点:信頼関係が最高の料理を作る
私は、ネット予約の普及が「食」に対する敬意を希薄にさせてしまったのではないかと感じます。画面上のボタン一つで予約できる便利さは素晴らしいものですが、その先には準備を整えて待つ料理人の姿があるはずです。
「とりあえず予約」という無責任な行動がなくなれば、本当にその店に行きたい人が予約を取りやすくなり、店側も食材の質を高めることにコストを割けるようになります。これは巡り巡って、私たち消費者の利益に繋がるのです。
せっかくの楽しい宴の席を、トラブルの種にしてはもったいないでしょう。予定が変わったなら、たった一本の電話を入れる。そんな当たり前のマナーが、日本の豊かな外食文化を守るための最もシンプルな解決策だと私は信じています。
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