【2019年度設備投資】「5G」と「CASE」が主導する新時代!米中摩擦の影でも攻め続ける日本企業の現在地

2019年12月02日、日本経済を牽引する有力企業たちの最新の投資姿勢が明らかになりました。日本経済新聞社が発表した設備投資動向調査によれば、2019年度の全産業における投資額は30兆3020億円に達しています。春の計画時と比較すると1.3%ほどの微減となりましたが、前年度比で見れば8.6%増という非常に力強い水準を維持しているのです。

この数字の背景には、世界中で商用化が加速している次世代通信規格「5G」の存在があります。5Gとは、現行の4Gを遥かに凌ぐ超高速・低遅延・多数同時接続を実現する技術のことです。SNS上でも「いよいよ5G時代が来る」「通信環境が劇的に変わる」といった期待の声が溢れており、この期待に応えるべく、通信大手や電子部品メーカーは未来への投資を惜しまない構えを見せています。

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5Gと自動運転が変える、ものづくりの最前線

特に注目すべきは、電子部品大手のTDKの動きでしょう。同社は2019年度、過去最高となる2000億円の設備投資を断行する予定です。背景にあるのは「CASE」と呼ばれる自動車業界の革命的な変化です。これは、コネクテッド(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェアリング(共有)、エレクトリック(電動化)の頭文字をとった言葉であり、次世代モビリティの核となる概念を指します。

TDKの幹部が「生産能力を1割以上高める必要がある」と語る通り、スマートフォンや電気自動車に不可欠なリチウムイオン電池、そして電子回路に欠かせないコンデンサーの需要は爆発的に高まっています。住友電気工業も5G基地局向け部品の増産を2020年に向けて前倒しするなど、インフラの土台を支える企業たちの鼻息は非常に荒い状況です。

一方で、すべての企業が手放しで楽観視しているわけではありません。ホンダのように世界的な生産体制の再編に伴い、投資額を500億円も圧縮する動きも見られます。また、米中貿易摩擦という国際的な不透明感が漂う中、海外投資に対して慎重な姿勢を示す企業が一定数存在することも事実です。しかし、不透明な時代だからこそ、成長分野へ資金を集中させる「選択と集中」が鮮明になっています。

物流革命とネット通販の拡大がもたらす恩恵

製造業以外でも、興味深い投資の波が起きています。今回の調査で計画増額が最も大きかったのは大和ハウス工業で、当初の予定から500億円を上積みしました。これは、私たちの生活に欠かせなくなったネット通販の拡大が、巨大な物流施設への需要を生み出しているためです。リアルな店舗だけでなく、効率的な配送を支える「箱」への投資が、日本の景気を下支えしている構図が見て取れます。

編集者としての私見ですが、今回の調査結果は、日本企業が「守り」から「次世代の覇権を狙う攻め」に転換している象徴だと感じます。米中摩擦という荒波はありますが、5Gというインフラの刷新は10年に一度のビッグチャンスです。ここで投資の手を緩めない企業の姿勢は、数年後の日本経済に大きな果実をもたらすはずでしょう。

ネット上では、投資額の減少を懸念する声も一部で見られますが、内容を紐解けば決して悲観するものではありません。2019年度の設備投資額が、昨年度実績を大きく上回っているという事実は、日本企業が確かな成長シナリオを描いている証拠ではないでしょうか。技術革新がもたらす新しい社会の足音が、数字を通じてはっきりと聞こえてくるようです。

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