世界中で猛威を振るい始めている新型コロナウイルスへの懸念から、日本の大規模な市民マラソン大会が大きな転換期を迎えています。京都市で2020年2月16日に号砲が鳴る「京都マラソン」の実行委員会は、2020年2月7日に対策を発表しました。それは、中華人民共和国に居住しているエントリー済みのランナー386名に対して、電子メールで出場の辞退を要請するという異例の措置です。もしこの呼びかけに応じて出走を諦めた場合には、次回の大会へ追加の費用なしで参加できる権利を付与するといいます。
今大会は全体で約1万6000名がエントリーしており、今回で9回目の節目を迎える一大イベントです。しかし、現地からはフライトの運休や体調への不安を訴える相談が相次いで寄せられていました。主催者側としては、ランナーの健康を守りつつ大会の安全な運営を両立させるため、苦渋の選択を迫られた形です。この迅速な特例措置は、未曾有の事態におけるリスク管理として評価される一方で、楽しみにしていたランナーの気持ちを推し量ると非常に胸が痛む決断だったと言えるでしょう。
時を同じくして、首都のビッグレースでも動きがありました。東京都の小池百合子知事は2020年2月7日の定例記者会見において、2020年3月に開催を控える「東京マラソン」の対応に言及しました。中国からの参加予定者が渡航制限などで出場を断念せざるを得ない場合、2021年の大会へスライドして出場できる救済措置を講じると表明したのです。東京マラソンは約3万8000名が駆け抜ける巨大な大会であり、そのうち中国からのエントリー者は約1800名にのぼります。
小池知事は会見の中で、現時点で日本への移動自体が困難な状況にある方々が多いため、結果として参加を見合わせる形になるだろうとの見解を示しました。この方針は、不可抗力で走れない人々の権利を守る温かい配慮とも捉えられます。ウイルスという見えない脅威を前に、都市の象徴であるマラソン大会がどのように安全性を担保するのか、日本中の注目が集まっている状況です。ここでいう救済措置とは、不測の事態で不利益を被った人に埋め合わせを行う特別な対応を意味します。
一連の発表を受けて、SNS上では瞬く間に大きな議論が巻き起こりました。インターネット上では「感染拡大を防ぐためには妥当な判断」「次回への出走権を保証する対応は素晴らしい」といった、主催者側の英断を支持する好意的な声が多数派を占めています。一方で「早くから準備してきたランナーの無念さを考えると切ない」「他の国からの参加者への対応はどうなるのか」など、一歩踏み込んだ複雑な胸中を吐露する投稿も散見され、反響の大きさが伺えます。
編集部としては、今回の各実行委員会の迅速な決断を強く支持したいと考えます。国際的なスポーツイベントは多様な文化の交流の場ですが、人命や公衆衛生の確保以上に優先されるべきものはありません。今回の出走権の繰り越しという実質的な補償は、苦しむランナーに寄り添った素晴らしい危機管理のモデルケースです。これを機に、国内のあらゆるイベントで実効性の高い安全対策がさらに議論され、整備されていくことを切に願ってやみません。
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