日本経済に少し気になる雲行きが見えてきました。民間調査機関15社による最新の予測が発表され、2019年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)が5四半期ぶりに減少へ転じる可能性が濃厚となっています。予測平均によると、前の期と比べた年率換算で4.0%減という大幅な落ち込みです。GDPとは、国内で一定期間に生み出されたモノやサービスの付加価値の合計であり、国の経済の体力を表す重要な指標ですが、これが急ブレーキを踏んだ形と言えます。
この急減速の背景には、いくつかの大きな要因が重なっています。まず、世界的な景気減速の影響で海外向けの輸出が振るわない「外需低迷」が続いていることです。さらに国内では、2019年10月1日に実施された消費税率10%への引き上げや、相次いだ大型台風の上陸がダブルパンチとなり、人々の買い控えを招きました。これまで日本経済は、海外の落ち込みを国内の旺盛な消費や企業の設備投資で補ってきましたが、その支えが崩れつつあります。
ネット上やSNSでは、このニュースに対して「給料が上がらないのに税金だけが増えれば、買い物を控えるのは当然だ」といった、生活実感を伴うシビアな意見が相次いで投稿されています。また、「台風の被害もあったのだから、この数字は予測できたこと」と冷静に受け止める声も目立ちました。多くの生活者が景気の後退を肌で感じており、将来への不安を募らせている様子が、タイムラインの切実なつぶやきからもひしひしと伝わってきます。
ただ、悲観的な材料ばかりではありません。今回の落ち込みは、前回2014年の増税直後に記録した4.8%減に比べると、下落幅が小さくなる見込みです。これは政府が導入したキャッシュレス決済によるポイント還元や、一部の食品などの税率を据え置く「軽減税率」といった負担軽減策が一定の効果を発揮したためと分析されています。買い物客へのサポートが、消費の底割れをなんとか防いだと言えるでしょう。
今後の見通しと新たな懸念材料
気になる2020年1〜3月期の先行きですが、専門家の予測平均では年率0.3%増と、わずかながらプラス成長に回復するシナリオが描かれています。世界的な半導体需要の復活や、米中貿易摩擦の緩和による輸出の持ち直しが期待されているためです。また、2020年1月31日に発表された2019年12月の有効求人倍率が1.57倍、完全失業率が2.2%と雇用環境自体は非常に安定しており、これが経済の土台を支え続けるでしょう。
しかし、今まさに世界を揺るがしている新型コロナウイルスの感染拡大という新たな影が忍び寄っています。中国との経済的なつながりがこれまで以上に深まっている現在、サプライチェーンの寸断や訪日観光客の激減による打撃は計り知れません。私たちは、一時的な増税の反動だけでなく、世界規模の不確実性がもたらす長期的なリスクにも警戒を怠らない視点を持つべきです。政府には、スピード感のある柔軟な経済対策が求められます。
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