日本の空を支える大手航空会社、日本航空(JAL)の業績に逆風が吹き荒れています。2019年4月1日から2019年12月31日までの連結営業利益が、前年の同じ時期と比べて約2割も減少した1200億円弱にとどまる見通しであることが判明いたしました。この驚きのニュースに、SNS上では「出張が減っているのは肌で感じていた」「航空業界全体の先行きが心配」といった不安の声が次々と上がっています。
業績低迷の主因は、製造業をメインとした日本企業による出張の手控えです。経費を削減するために、これまでのビジネスクラスからエコノミークラスへと切り替える動きが加速しました。さらに、インターネット回線を通じて遠隔地と映像・音声をつなぐ「ビデオ会議」を代替手段として導入する企業が急増しています。こうしたビジネス利用の激減が、JALの収益に深刻なダメージを与えたといえるでしょう。
相次ぐ国際線の試練と新型肺炎がもたらす大打撃
国際線の旅客数を見てみますと、2019年10月1日から2019年12月31日までの実績は前年同期比で3.5%減となりました。これは同年7〜9月期の減少幅に比べて落ち込みが加速している状況です。JALは2020年3月31日を期末とする通期の営業利益予想を1700億円としていましたが、これを下方修正する公算が非常に大きくなっています。国内線は堅調さを維持しているものの、国際線の大きなマイナスを補うには至りませんでした。
さらに追い打ちをかけているのが、中国で拡大している新型コロナウイルスによる肺炎です。本来であれば中国の旧正月である「春節」の大型連休で賑わうはずの時期ですが、海外への団体旅行が禁止されたことで空席が目立つ異常事態となっています。中国の航空会社による増便で供給過剰となり、航空券の価格が下落していたところへ、この新型肺炎が直撃しました。長期化すれば、さらなる需要の冷え込みは避けられないでしょう。
アジア路線の苦戦はこれだけにとどまりません。日本と香港を結ぶ路線は現地で続くデモ活動の影響を大きく受けており、日本と韓国を結ぶ路線も関係悪化による不振から抜け出せていません。これらの要因が重なった結果、2019年10〜12月期の営業利益は前年同期比で2割減の400億円程度にまで落ち込んだ模様です。注目の決算発表は2020年1月31日に予定されており、今後の動向から目が離せません。
筆者の視点として、今回のJALの苦境は単なる一時的な需要減退ではなく、企業の働き方や移動に対する意識の構造改革が根底にあると感じます。テクノロジーの発達によるビデオ会議の普及は、出張の必要性そのものを問い直す契機となりました。これに新型肺炎などの地政学リスクが加わった今、航空各社はビジネス客に依存しない新たな価値の提供や、変化に強い強靭な経営体質へのシフトを本格的に迫られているのではないでしょうか。
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