日本のサイバー防衛が危ない!?深刻な「官僚人材不足」の裏に潜む民間との給与格差と国家の危機

今、日本の安全保障を揺るがす深刻な問題が浮き彫りになっています。国や自治体が、サイバー攻撃からシステムを守る「サイバーセキュリティー人材」の確保に大苦戦しているのです。現代のサイバー防衛は、単にパソコンを守るだけでなく、国の基盤を揺るがすテロに対抗する重要な任務。しかし、現在の労働市場は圧倒的な売り手市場であり、高い報酬を提示する民間企業に、お堅い官公庁が完全に競り負けているのが現状となっています。

インターネット上では「国の防衛に関わる人の給料が安すぎるのは問題」「民間の方がスピード感も待遇も良いのは当然」といった、政府の対応を懸念するSNSの声が多数上がっています。政府機関へのサイバー攻撃は、驚くべきことに1日で1億件に達する日もあり、年間では100億件を超えるという衝撃的な数字も明かされました。2020年1月には、防衛省と取引のある三菱電機が中国のハッカー集団とみられる攻撃を受けたことも判明しています。

こうした緊急事態にもかかわらず、日本の防衛体制は心もとなさが否めません。ここで言うサイバーセキュリティー人材とは、ネットワークへの不正侵入を防ぎ、万が一の攻撃時に被害を最小限に抑える専門家のことです。2018年の調査では、日本企業の約9割がこの人材を「不足している」と回答しました。米英豪では不足感が2割未満であることと比較すると、日本の遅れは一目瞭然であり、官民を挙げた対策が急務と言えるでしょう。

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年収1000万円は当たり前?民間企業との圧倒的な待遇格差

優秀な専門家をスカウトしようとした政府の官僚が、採用直前で民間企業に引き抜かれる事例も起きています。国家公務員の平均の1.5倍という破格の給与を提示したにもかかわらず、それ以上の高額報酬を出す企業に太刀打ちできなかったのです。専門家によると、サイバー人材は社会人3年目で年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。他のIT人材よりも平均年収が200万円ほど高いという、超ハイステータスな職種なのです。

サイバー防衛はIT分野の中でも歴史が浅く、既存の知識だけでは太刀打ちできない「想定外」に対応する特殊な世界となっています。そのため高度なスキルを持つ人材は世界中で争奪戦です。米国では2013年以降、IT全体の求人が30%増えたのに対し、サイバーセキュリティー分野は3倍超となる94%もの伸びを記録しました。この激しい獲得競争の波に、日本の行政機関は完全に飲み込まれてしまっています。

この現状に対し、私は日本の人事制度の硬直化に強い危機感を覚えます。一刻を争うデジタル空間の戦いにおいて、従来の公務員の給与体系に縛られていては、国家の機密情報を守ることは不可能です。国を守る要となる人材には、民間以上のインセンティブや、キャリアとしての明確なステータスを付与するような、大胆な構造改革が必要不可欠ではないでしょうか。国家の安全への投資を惜しむべきではありません。

事務次官級の2000万円を用意も…「公務員の壁」が阻む採用

危機感を募らせる防衛省は、2020年度に「サイバー防衛隊」を70人増員して290人にする計画です。しかし、米国が6000人、中国が10万人、北朝鮮が7000人の専門部隊を抱えているとされる中では、あまりにも見劣りします。そこで防衛省の採用担当者は、民間の専門家を年収2000万円を超える「事務次官級」の待遇で迎え入れる異例の策まで検討し始めました。これは従来の人事体系を覆す、破格の条件提示と言えます。

しかし、問題は報酬だけではありません。埼玉県警では2017年度から専門職の採用を始めましたが、2018年度は募集3人に対して採用ゼロという結果に終わりました。採用時に「最初は警察官として現場に出てもらう」と説明したことが、すぐにノウハウを活かしたい求職者とのミスマッチを生んだのです。また、定期異動でサイバーとは無関係の部署へ移る可能性があるキャリアプランも、専門家からは敬遠される要因となっています。

米国では政府の要職を務めた人物がグーグルなどの巨大IT企業へ移籍したり、逆に民間幹部が政府の技術戦略を率いたりする「官民交流」が盛んです。日本もこうした柔軟さを見習わなければ、優秀な人材は集まらないでしょう。2015年にサイバー攻撃対策の基本法が全面施行されて以降も、日本のIT担当大臣に専門家が就くことは少なく、リーダーシップの欠如が指摘されています。国を挙げた本気の変革が、今まさに試されています。

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