緊迫する北朝鮮のミサイル情勢を受け、日本の安全保障の鍵を握る動きがありました。河野太郎防衛相は、2020年01月13日午前(日本時間2020年01月14日未明)に米ハワイ州のカウアイ島にある米軍施設を訪問しました。お目当ては、地上配備型迎撃ミサイルシステムである「イージス・アショア」の視察です。SNS上では「一刻も早い配備で国を守ってほしい」という国防を重視する意見が上がる一方で、「地域住民への説明は十分なのか」といった不安の声も目立ち、ネット上でも議論が白熱しています。
そもそもイージス・アショアとは、海上のイージス艦が持つ高いミサイル迎撃能力を、そのまま陸上に設置する防衛システムのことです。24時間365日、常に日本全域をカバーできる強みを持っています。政府は2017年12月22日にこのシステムの導入を閣議決定しました。これは内閣の意思決定のことで、2023年度中の運用スタートを目指しています。しかし、配備予定地とされる秋田県や山口県の地元住民からは、強力な電波による健康被害や環境への影響を心配する声が根強く残っているのが現状です。
こうした懸念を払拭するため、河野防衛相は現地でレーダーが人体に与える影響や、実際の迎撃性能について米軍側から詳しくヒアリングを行いました。視察を終えた大臣は記者団に対し、北朝鮮が日本を射程に収める数多くのミサイルを実戦配備している危機感を強調しています。さらに、国民の命と国土を強固に守り抜くためには、日本全体を隙なくカバーできる防衛体制を一日も早く整える必要があると、強い決意を語りました。防衛のトップとして、早期整備への並々ならぬ意欲が伺えるコメントです。
日本政府は、陸上自衛隊の新屋演習場(秋田市)とむつみ演習場(山口県萩市、阿武町)を適地と判断していました。ところが、防衛省がまとめた調査データにまさかの不備が発覚してしまいます。そのため、秋田に関しては現在「ゼロベース」、つまり完全に白紙の状態から再調査をやり直している最中なのです。山口県でも地元自治体が難色を示しており、計画は大きく停滞しています。国を守る大義名分があっても、国民の信頼を失うような進め方では、地域の理解を得ることは到底できないでしょう。
私は、このイージス・アショアの配備自体は、現在の東アジアの安全保障環境を鑑みれば不可避の選択であると考えます。しかし、防衛省が犯した調査ミスはあまりにも致命的であり、地元の不信感を煽る結果になったことは猛省すべきです。国益と地域の安全は、決して天秤にかけるものではありません。政府は米国の最新知見を基に、電波の安全性や防衛上の必要性をより誠実に、かつ分かりやすく住民へ説明し直すべきです。真の国防とは、国民の安心と納得のうえにこそ成り立つものではないでしょうか。
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