積水化学工業は2020年2月13日、経営体制の刷新に向けた重要なトップ人事を発表しました。同年3月1日付で、現在の代表取締役専務執行役員である加藤敬太氏が新たな社長へと昇格します。現職の高下貞二社長は代表権を持つ会長職となり、新体制を背後から支える形です。今回の交代は就任5年目を迎えた高下氏からのバトンタッチであり、2020年度からスタートする次期中期経営計画のタイミングに綺麗に合わせられています。
新社長に抜擢された加藤敬太氏は、1980年3月に京都大学工学部を卒業後、同社へ入社しました。2014年に取締役常務執行役員へ昇進し、2019年には代表取締役専専務執行役員に就任するなど、順調にキャリアを重ねてきた大阪府出身の62歳です。同氏の強みは、積水化学の稼ぎ頭である「高機能プラスチック部門」における豊富な経験と実績にあります。この分野での指揮を長く執ってきたことが、今回の起用の決め手となりました。
ここで注目したい「高機能プラスチック」とは、一般的な樹脂に特殊な加工や配合を施し、耐熱性や強度、電気伝導性などの優れた特性を持たせた付加価値の高い最先端素材を指します。積水化学はこれまで、住まいづくりや建築資材、医療器具など多岐にわたる事業を展開してきました。しかし、近年はスマートフォンや自動車に使われる電子部材、あるいは航空宇宙分野でも注目される炭素繊維複合部品といったハイテク素材に注力しています。
間もなく公表される新しい中期経営計画でも、この高機能プラスチック事業が成長を牽引する最大の柱として位置づけられる見通しです。コモディティ化と呼ばれる汎用品の価格競争から脱却し、独自技術を活かした高付加価値製品へシフトを加速させる狙いが透けて見えます。新社長の専門性を最大限に活かせる布陣を敷くことで、目まぐるしく変化する世界の市場競争を勝ち抜こうという、同社の強い意思が伝わってくる人選です。
このニュースに対し、SNSやインターネット上では「技術畑のトップ就任で日本のものづくりがさらに強くなりそう」「次の中期経営計画でどんなイノベーションが飛び出すかワクワクする」といった期待の声が多数寄せられています。やはり専門知識を持ったリーダーが現場を引っ張る姿には、多くの人がポジティブな印象を抱くようです。これからの製造業を牽引する、積水化学の新たな挑戦から目が離せません。
一編集者としての視点ですが、今回の人事交代は単なる経営陣の若返りではなく、明確な事業戦略のメッセージであると評価できます。不確実性の高まる現代において、自社の強みを熟知した技術リーダーの存在は不可欠でしょう。これまでの安定した経営基盤を維持しながら、どれだけスピード感を持って革新的な製品を世に送り出せるかが勝負の分かれ目となります。加藤新社長が描く、同社の新しい未来予想図に大いに注目していきたいところです。
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