2019年5月29日付の報道は、カジュアル衣料品チェーンのライトオンが直面した厳しい経営状況を伝えました。同社は5月28日、2019年8月期の連結最終損益が53億円の赤字に拡大する見通しだと発表しました。これは、当初16億円の赤字としていた予想から、大幅に赤字幅を広げたもので、前期の4億5700万円の黒字から一転して深刻な状況に陥ったと言えるでしょう。
業績悪化の主要な原因は、商品の販売不振にあります。売上高は前期比3%減の745億円となる見通しで、これは当初の予想を25億円も下回る結果でした。特に大きな売り上げが見込めたはずの大型連休の後半に気温が低下したことが響き、既存店の売上高は3月から5月期の3カ月間で前年同期比2.8%減少しています。売れない商品在庫を減らすために値引き販売を増やした結果、採算が悪化するという悪循環に陥ってしまいました。
SNS上では当時、「連休寒かったもんな」「服が売れない時代なのか」と、天候不順や消費の冷え込みを嘆く声が上がりました。一方で、「値引き頼みの経営は限界だ」「ファッションのトレンドに乗れていないのでは」といった、企業戦略そのものに対する厳しい指摘も見受けられました。この下方修正の結果、ライトオンは期末配当を当初予定の10円から無配とすることを決定し、年間配当は前期から10円減の10円となる見通しでした。
さらに深刻な問題として、業績予想の下方修正に伴い、金融機関と結ぶシンジケートローン(協調融資)契約などに関わる財務制限条項に抵触する見込みとなったことも発表されました。財務制限条項とは、企業の財務状況が悪化した場合に金融機関との契約条件が変更される取り決めのことです。ライトオンは金融機関への契約継続の申し入れを行うとともに、手元資金の確保に努めることで、「当面の資金状況は安定的に推移する見通し」だと説明しています。
コラムニストとしての私の見解ですが、ライトオンが直面したこの危機は、ファストファッションやECの台頭により競争が激化するカジュアル衣料品業界の厳しさを象徴しています。天候不順は外的要因ですが、それ以上に、在庫管理の甘さや、顧客を値引きに頼らず引きつける商品企画力が問われていると言えるでしょう。財務制限条項の抵触という経営的な危機を乗り越え、いかにトレンドを捉えた収益性の高いビジネスモデルへと転換できるか。ライトオンは今、まさにその覚悟が試されていると言えます。
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