2019年5月29日付の報道は、前日に川崎市多摩区で発生した痛ましい殺傷事件の犠牲となったお二人の、あまりにも尊い日常を伝えました。登校中のスクールバスを待っていた児童らが無差別に襲われたこの凶行によって命を奪われたのは、小学6年生の**栗林華子さん(11歳)と、付き添いの保護者であった小山智史さん(39歳)**でした。平和な朝の日常が一瞬にして断ち切られたという事実に、日本中が深い悲しみに包まれました。
犠牲になられた栗林華子さんは、近隣住民から「いつも笑顔いっぱいの元気な女の子」として記憶されていました。近所に住む男性は、栗林さんがお母様と一緒に犬の散歩をする際、「こんにちは」と大きな声で挨拶してくれた姿が忘れられないと、肩を落としていました。そのハキハキとした活発な子がいきなり事件に巻き込まれたことに対し、「こんなことがあるのか……」と、驚きと悲しみを隠せない様子でした。同じ学校に子どもを通わせる保護者も、「被害に遭ったご家族のことを考えるとたまらない」と声を震わせています。
もう一人の犠牲者、小山智史さんは、外務省の職員でした。彼はミャンマー語の専門家として知られ、2004年の入省後、ミャンマーでの勤務を経て、現地で高い評価を得ていました。2013年に現国家顧問兼外相のアウン・サン・スー・チー氏が来日した際、プライベートでの買い物の通訳を務めるなど、同氏からの厚い信頼を得ていたという逸話も残されています。外務省の職員採用案内には、「日本がミャンマーを正しく理解できるようなイベントなど、両国の交流が進むアイデアを出していきたい」と、仕事への熱い思いを綴っていたことが分かります。
小山さんと共に勤務した経験のある同僚の女性は、「いつもまじめで、奥さんとお子さんを心から大切にしていた」と、その人柄を語り、「とにかく信じられない」と沈痛な面持ちでした。SNS上では当時、「なぜ将来有望な若者や、地域を支える人が狙われるのか」「朝の通学路という日常の風景が奪われたことが怖い」といった、怒りと無力感が入り混じった声が広がり、社会に大きな衝撃を与えました。
コラムニストとしての私の意見ですが、この事件は、最も無垢で安全であるべき通学路という場所で起きた、あまりにも一方的で理不尽な暴力です。亡くなられたお二人が持っていた未来、栗林さんの健やかな成長と、小山さんが両国の交流に懸けていた志、そして何よりご家族の日常が、凶行によって断ち切られたことは痛恨の極みです。私たちは、亡くなられた方々の冥福を祈るとともに、この悲劇を二度と繰り返さないための**「安全な日常の価値」**を、改めて社会全体で問い直す必要があるでしょう。
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