【逆境からの黒字転換】フジクラの挑戦!自動車電装事業が「ワイヤハーネス」で中国・東欧リスクを乗り越える方法

2019年5月29日付の報道によると、電線・光ファイバー大手のフジクラが、翌2020年3月期に、自動車電装事業の営業損益を3年ぶりに黒字へと転換させるという、意欲的な計画を発表しました。この事業は、自動車の神経や血管にあたる組み電線(ワイヤハーネス)の製造を主な柱としています。直近の2019年3月期に32億円の赤字を計上していたこの事業を、どのように立て直そうとしているのでしょうか。その鍵は、徹底したコスト構造の改革と、生産拠点の戦略的見直しにありました。

フジクラの自動車電装事業は、電気化が進む自動車産業を追い風に需要の増加が見込まれていたものの、主要顧客である自動車メーカーの中国市場での販売減少の直撃を受け、苦戦を強いられていました。その結果、中国や日本などアジア各地の製造拠点では稼働率が低下し、収益を圧迫していたのです。SNS上では当時、「自動車産業は中国に依存しすぎている」「サプライヤーの努力だけでは限界がある」といった、市場の構造的な問題に対する指摘が多く見受けられました。

この逆風を乗り切るため、フジクラはアジアの製造拠点における人員配置の見直しなどによる大幅なコスト削減を推進しました。さらに注目すべきは、東欧拠点の戦略見直しです。ルーマニアやウクライナの工場では、離職率の悪化により作業員の習熟度を上げることに苦労していました。そこでフジクラは、製造拠点の中心をモロッコなどの北アフリカへと移すことを決定しました。

コラムニストとしての私の意見ですが、この生産拠点のシフトは、単なる安価な労働力を求める動きにとどまらず、地政学リスクと労働環境の安定性を総合的に判断した、極めて合理的な戦略です。ワイヤハーネスは、自動車に欠かせない電力や信号を伝えるための重要な部品です。この重要部品のサプライヤーとして、フジクラが中国市場の短期的な変動や東欧の労働環境の変化に左右されず、安定供給と収益性を両立させようとする姿勢は、日本の製造業がグローバル競争で生き残るための教訓となるでしょう。

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