半導体業界の巨人TSMCが語る!激化する米中貿易摩擦と最先端7ナノ技術の行方

半導体受託生産(ファウンドリ)の世界最大手として知られる台湾積体電路製造、通称TSMCが、2019年6月28日に横浜市内で実に10年ぶりとなる記者会見を開催いたしました。来日した広報担当幹部であるエリザベス・サン氏は、現在激化している米中間の貿易摩擦が、半導体業界全体に及ぼす影響について、非常に大きな懸念を表明されています。世界中のサプライチェーンで成り立つ半導体産業にとって、この二大国の緊張関係は「大きなインパクトがある」と指摘し、事態の早期解決に向けて「両国のリーダーが知恵を絞ってほしい」と強く期待を寄せている状況です。

この摩擦の直接的な影響を受けている企業の一つが、TSMCにとって大口顧客にあたる中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)です。特に、ファーウェイ傘下で半導体の設計・開発を担う海思半導体(ハイシリコン)との取引に大きな変化が生じています。米国政府による事実上の取引禁止措置により、ファーウェイのスマートフォン出荷台数は2019年に前年比で2割程度減少するとの予測が出ています。サン氏はこの状況に対し、具体的な数字は明かせないとしつつも、「影響が出ている」ことを認め、関連する半導体の出荷が減少している実態を明らかにされたのです。半導体業界の屋台骨とも言える巨大企業が、地政学リスクにより具体的な出荷減に直面している事実は、市場に大きな衝撃を与えています。

TSMCは技術力の高さで世界をリードしており、その最先端技術である回路線幅7ナノメートル(ナノは10億分の1を表す単位で、線幅が細いほど高性能・低消費電力化が実現します)に微細化されたプロセッサーは、米アップルや先述のハイシリコンのスマートフォンに採用されています。開発担当幹部のケビン・ジャン氏は、この7ナノ技術を「地球上で最も高度」と自信を持ってアピールされました。この発言は、TSMCが単に製品を供給するだけでなく、業界の技術革新を牽引するリーダーであることを強く印象づけるものでしょう。インターネット上でも、「やはりTSMCの技術力は世界一」「今後の技術開発から目が離せない」といった、同社の技術力を称賛し、期待を寄せる反響が多数見受けられます。

さらにTSMCは、次世代技術として線幅をさらに狭めた5ナノメートルプロセスの半導体を、2020年に本格的に量産する方針も示されました。会見では、この最新技術を用いて試作されたシリコンウエハーも公開されています。微細化への需要は、ビッグデータを高速で処理・記憶するデータセンターや、人工知能(AI)を用いたデータ解析、高度な画像処理といった分野で急速に高まっており、TSMCはこれらの成長市場を確実に取り込む戦略です。最先端技術を追求し続けるTSMCの姿勢は、不確実性の高まる国際情勢の中でも、未来のテクノロジーを支えるという強い決意の現れだと筆者は感じています。世界経済の動向に左右されながらも、技術革新を止めることなく邁進するTSMCの今後の動きに、引き続き注目していくべきでしょう。

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