2019年07月01日、令和の夏が本格化するなか、女性たちの間で新たなムーブメントが巻き起こっています。「結婚の予定はないけれど、ウエディングドレスは着てみたい」。そんな女性ならではの純粋な願望を叶えるイベント、それが「ウエディングドレス女子会」です。かつて話題をさらった、ひとりで花嫁姿を撮影する「ソロウエディング」から派生し、今や友人同士でドレスを纏い、最高の一瞬を共有するスタイルが人気を博しているのをご存知でしょうか。
このブームの背景には、SNS映えを意識した「体験」への渇望があります。原宿のフォトスタジオ「エイム」では、数万円程度の手頃な価格で最新のトレンドドレスに身を包むことができます。実際に竹内美貴さん(29)と三宿愛美さん(28)の二人組は、スタジオで「ビジューが可愛い!」「髪型が双子みたい!」と大興奮。ちなみにビジューとは、フランス語で宝石や装飾品を意味し、ドレスの煌びやかさを演出する重要な要素ですが、こうした細部へのこだわりも乙女心をくすぐるのでしょう。
ソロから「ペア」へ、広がる楽しみ方
スタジオ内には、竹内さんのリクエストである1980年代の歌謡曲が響き渡り、プロのカメラマンによるポージング指導が入ります。まるでファッション誌のモデルになったかのような高揚感に包まれながら、撮影は進んでいきます。ソロウエディングといえば、未婚女性が記念に残すものというイメージが強かったのですが、友人と一緒ならば「恥ずかしいけれど楽しい」という共有体験に変わります。撮影後はそのままパーティードレスに着替え、ホテル女子会へと繰り出すという流れも、まさに現代的な遊び方と言えるでしょう。
エイムでは2年半前からソロウエディングプランを展開していましたが、ここ数ヶ月で「友人と一緒に撮りたい」というニーズが急増しているそうです。一人では少しハードルが高いと感じていたドレス撮影も、気心知れた友人を誘えば、エンターテインメントとして純粋に楽しめるイベントへと進化します。この「連帯感」こそが、新しいトレンドの起爆剤となっているに違いありません。
「ナシ婚」派も必見、既婚者がハマる理由
驚くべきことに、このブームは未婚女性だけの特権ではありません。東京都立川市の「ティアブライズガーデン立川」では、既婚女性の参加も増えているといいます。近年、入籍はするものの挙式や披露宴を行わない「ナシ婚」というスタイルが増加傾向にあります。経済的な理由や価値観の多様化が背景にありますが、それでも「ドレスを着たい」という女性の本能的な欲求は消えることはありません。
運営会社の阿部友子社長が語るように、「結婚式の写真は気に入らなかった」「式とは違うタイプのドレスを着てみたい」という既婚者のリベンジや冒険心を満たす場としても機能しているのです。友人同士でメイクや試着を楽しみ、お互いの美しさを称え合う時間は、日々の生活で忘れかけていた「主役感」を取り戻す絶好の機会となるはずです。
リムジンで渋谷を周遊、究極の「姫会」
さらにラグジュアリーな体験を求めるなら、リムジンパーティーとの組み合わせも見逃せません。東京・渋谷のスクランブル交差点付近では、ウエディングドレス姿でリムジンに乗り込むグループの姿が見られます。車内にはシャンパンとバルーンが溢れ、ティアラや花冠で着飾った彼女たちは、まさに現代のプリンセス。藤木そらさん(28)たちは、「結婚したいのか、ただドレスが着たいのか分からない」と笑いながらも、その表情は喜びに満ち溢れています。
このプランは5万4800円からと決して安くはありませんが、最大5人でシェアすればお得感もあり、東京タワーやレインボーブリッジなどの名所を巡りながらプロカメラマンに撮影してもらえます。通りすがりの外国人観光客からもカメラを向けられ、注目を浴びる快感は、日常では味わえない特別なスパイスとなるでしょう。
編集後記:承認欲求を超えた「自己肯定」の儀式
SNS上では、「#ウエディングドレス女子会」「#姫会」といったハッシュタグと共に、キラキラと輝く彼女たちの写真が溢れています。「いいね!」の数もさることながら、コメント欄には「羨ましい!」「次は私もやりたい!」といった共感の声が殺到しており、その反響の大きさは計り知れません。
私自身、この現象を単なる「ごっこ遊び」と片付けるのは早計だと感じます。毎日がスペシャルであることを求められるインスタグラム全盛の時代において、ドレスを纏うことは、自分自身を最高に美しく表現するための「武装」であり、自己肯定感を高めるためのポジティブな儀式なのかもしれません。未婚も既婚も関係なく、女性が互いに「可愛い」を贈り合い、最高に輝く瞬間を楽しむ。そんな幸せな時間の使い方が、2019年の新たなスタンダードとして定着していくのではないでしょうか。
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