🌊テングサの不漁が止まらない!伊豆産が異例の高値を付ける理由と健康食品への影響

ところてんや寒天の主要な原材料であるテングサが、深刻な不漁に見舞われ、その価格が異例な水準に高騰しています。テングサの主な産地は静岡県や愛媛県ですが、中でも太さと粘りの良さから国内最上級品と評価されているのが、静岡県の伊豆半島産です。この最上級品のテングサの収穫量は、海洋環境の変化や後継者不足といった複合的な要因により、年々減少の一途をたどっています。

実際、昨年の収穫量はピーク時のわずか10分の1に当たる100トン以下にまで落ち込んでしまいました。今年も2019年5月中旬から収穫期を迎えたものの、資源量は依然として少ない状況です。春から初夏にかけて、西伊豆の海岸ではテングサの収穫と、太陽の光で乾燥させる天日干しが最盛期を迎えます。海岸に赤いじゅうたんを敷き詰めたかのようなこの光景は、伊豆の夏の風物詩の一つとなっています。

一方、ところてんや寒天は、近年高まる健康志向や猛暑の影響も相まって、需要が増加傾向にあります。しかし、この旺盛な需要に対し、原材料であるテングサの供給が追いつかないため、昨年行われた入札では、テングサの価格が急騰しました。10キロあたり3万7千円から3万8千円という価格は、前年比で2割以上も上昇した異例の高値です。伊豆漁業協同組合の関係者も、「これまでは高くても2万7千円から2万8千円程度だった」と語るほど、異例の価格水準となっています。

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テングサ減少の主因は海水温の上昇か

この相場高騰の直接的な原因は、収穫量の劇的な減少にあります。かつては年間1000トンを超えていた収穫量が、昨年は100トンを下回るという深刻な事態です。静岡県水産技術研究所伊豆分場の調査でも、2019年春の時点では「海藻が全般的に少ない」という結果が出ています。

この減少の主因として指摘されているのが、海水温の上昇や、海藻が生育するための栄養不足です。同研究所によると、「黒潮大蛇行の影響で、海藻の成長に必要な栄養塩が十分に供給されなかった可能性がある」とのことです。栄養塩とは、海中の植物プランクトンや海藻の成長に必要な窒素やリンなどの無機栄養分のことで、これが不足すると海藻は十分に育つことができません。また、テングサを収穫する海女の高齢化や後継者不足も、漁獲量の減少に拍車をかけている状況です。

私の見解ですが、このテングサの不漁は、単なる海産物の価格高騰で終わる問題ではありません。伊豆半島は多様な魚介類の宝庫として知られていますが、テングサを含む海藻類は、魚や貝にとってすみかエサとなる、海の生態系の重要な基盤です。この海藻の減少は、漁業全体に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。

SNSでも、「海の環境が心配」「ところてんが値上げなんてショック」「日本の海の恵みを守るために何かできないか」といった、環境問題や価格への影響に関する反響が見られました。高値を受け、今年に入ってから甘味処(どころ)が相次いで値上げを発表するなど、既に消費者の生活にも影響が出始めています。テングサ漁はこれから本格的な盛漁期を迎え、2019年6月には初物の入札が行われる予定ですが、相場がこのまま異例の高値を維持する可能性は高いと言えるでしょう。

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