LIXILお家騒動の深層!潮田氏と瀬戸氏が衝突した「経営の根幹」と混乱の8カ月間が残した傷跡

住宅設備最大手であるLIXILグループが、今まさに歴史的な激動の渦中にあります。2018年秋に当時の最高経営責任者(CEO)であった瀬戸欣哉氏が事実上解任されてからというもの、社内では経営方針を巡る激しい対立が続いてきました。2019年07月04日現在、ようやく組織の再起動が模索されていますが、この空白の8カ月間がもたらした代償は決して小さくありません。

騒動の核心にあるのは、創業家出身である潮田洋一郎氏と、プロ経営者として招かれた瀬戸氏との間にある決定的な「思想の乖離」です。潮田氏は2019年03月、社員に向けて「製造業の経営の根幹は売上高にある」という強いメッセージを発信しました。市場の需要が停滞する局面では、他社から顧客を奪ってでも市場占有率、いわゆる「シェア」を確保すべきだという主張を展開したのです。

ここで言う「シェア」とは、特定の市場全体において自社の製品がどれくらいの割合を占めているかを示す指標を指します。潮田氏の考えは、規模を拡大して売上を伸ばせば自然と利益もついてくるという、かつての高度経済成長期を彷彿とさせる拡大路線と言えるでしょう。しかし、この方針は瀬戸氏が進めてきた収益性重視の構造改革を真っ向から否定するものでした。

SNS上では、このトップ同士の確執に対し「社員が置き去りにされている」「古き良き時代の成功体験に縛られすぎではないか」といった厳しい意見が相次いでいます。顧客や取引先からも、経営体制の不透明さを不安視する声が上がっており、ブランドイメージへのダメージは深刻です。現場の士気が低下している中で、数字上のシェアだけを追い求める姿勢には疑問を感じざるを得ません。

個人的な見解を述べさせていただければ、現代の予測不能な市場環境において、単なる売上至上主義は諸刃の剣になりかねないと感じます。利益率を犠牲にした安売り競争でシェアを奪っても、それは一時的な勝利に過ぎないからです。瀬戸氏が目指した無駄の削減と収益の質の向上こそが、本来あるべき持続可能な経営の姿だったのではないでしょうか。

混乱の8カ月間を経て、LIXILは今、大きな分岐点に立たされています。トップの交代劇が招いた社内の亀裂を修復し、再び全社員が同じ方向を向くのは容易なことではありません。過去の栄光にすがるのではなく、新しい時代に適応した「稼ぐ力」をどう構築していくのか。投資家や消費者も、同社が打ち出す次の一手を注視していることでしょう。

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