リンテックの4〜6月期は営業利益4割減へ!半導体市場の失速と米中貿易摩擦が及ぼす影

粘着材の分野で世界的なシェアを誇る大手メーカー、リンテックの業績に急ブレーキがかかっています。2019年07月04日現在の集計によりますと、2019年04月から2019年06月期における連結営業利益は30億円前後にとどまる見通しとなりました。これは前年の同じ時期と比較して約40%もの大幅な落ち込みであり、市場には驚きが広がっています。売上高についても、前年同期比で3%減となる600億円程度に沈む模様で、同社を取り巻く経営環境の厳しさが浮き彫りになりました。

今回の減益を招いた最大の要因は、世界を揺るがしている「米中貿易摩擦」の激化にあります。アメリカと中国の対立が深まったことで、半導体市場全体に急激な減速感が漂い始めました。その煽りを受ける形で、リンテックの収益を支えていた高付加価値商品である「半導体テープ」の出荷が大きく低迷しています。半導体テープとは、精密な回路が描かれたシリコンウェハを固定し、チップとして切り出す際の破損を防ぐために欠かせない特殊な保護フィルムのことです。

SNS上では投資家から「やはり米中摩擦の影響は深刻だ」「半導体サイクルの底が深いのではないか」といった懸念の声が相次いでいます。利益率が高い主力製品の販売不振は、企業の収益構造にダイレクトに響くため、今回の数字を重く受け止める反応が目立ちます。さらに追い打ちをかけているのが、スマートフォンの普及が一巡したことによる市場の飽和感です。需要の伸び悩みを感じ取った製造装置メーカーが、在庫を抱えるのを嫌って発注を控えている状況が透けて見えます。

また、海外拠点の苦戦も無視できない要因でしょう。アメリカの連結子会社では、飲料用ラベルなどの製造において原材料価格の高騰が続いており、コストの増大が利益を圧迫しています。国内の印刷材事業に目を向けても、化粧品や飲料向けのキャンペーンラベル自体は堅調な動きを見せています。しかし、利益の出にくい紙製品に需要が偏っていることに加え、業界内の価格競争も一段と激しさを増してきました。こうした採算性の悪化が、全体の足を引っ張る格好となっています。

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5G時代の幕開けによる反転攻勢と今後の展望

苦境に立たされているリンテックですが、経営陣は決して悲観一色ではありません。2019年後半からは、いよいよ次世代通信規格である「5G」の商用化が本格的にスタートします。超高速・低遅延を実現するこの技術が普及すれば、データセンターや新型デバイスの需要が爆発的に増えることが期待されるでしょう。同社はこの5G関連の需要回復を追い風にして、下期からの巻き返しを図る構えです。通期の業績については、強気の姿勢を維持しているのが印象的です。

実際に、2020年03月期の通期純利益予想は、前期比4%増の135億円と増益を確保する見通しを据え置いています。目先の四半期決算は厳しい内容となりましたが、中長期的なテクノロジーの進化が同社の背中を押すと信じているのでしょう。編集者としての私の視点では、今の苦境はあくまで一時的な「調整局面」に過ぎないと感じます。なぜなら、5GやIoT(モノのインターネット)が進化し続ける限り、リンテックが持つ高度な粘着技術の必要性は揺るがないからです。

もちろん、米中関係の行方など不確実な要素は依然として残されており、予断を許さない状況に変わりはありません。投資家の視線は、次回の公式発表が行われる2019年08月09日の決算会見に注がれることになるでしょう。そこでは、低迷する電子工学事業の立て直しに向けた具体的な戦略や、新技術への投資計画が語られるはずです。世界をリードする日本の部材メーカーが、この荒波をどのように乗り越えていくのか、今後の動向から目が離せません。

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