世界経済に新たな激震が走りました。トランプ米政権が、不法移民対策の不備を理由に、メキシコからの全輸入品に対して追加関税を課すと発表したのです。発動予定日は2019年6月10日。まさに寝耳に水とも言えるこの強硬措置に対し、隣国メキシコの対応に注目が集まっています。このニュースを受け、ロペスオブラドール大統領は2019年5月31日の定例会見で、あくまで冷静な姿勢を崩しませんでした。「両国間の対立は対話を通じて解決すべきだ」と述べ、真っ向からの衝突を避ける大人の対応を見せています。
トランプ大統領の「関税カード」はこれまでも多くの国に向けられてきましたが、最大の貿易相手国の一つであるメキシコへの適用は、サプライチェーンに甚大な影響を及ぼすことは間違いありません。ロペスオブラドール氏は、直ちにエブラルド外相をワシントンへ派遣することを決定しました。エブラルド外相自身のツイッター(現X)での発言によると、ポンペオ米国務長官と電話協議を行い、来たる6月5日にワシントンで直接交渉のテーブルに着くことが決まったようです。
緊急派遣!エブラルド外相の手腕とUSMCAの行方
ここで注目したいのが、北米の貿易ルールの行方です。皆様もニュースで「USMCA」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。これは「米国・メキシコ・カナダ協定」の略称で、従来の北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新しい貿易の枠組みのことです。この新協定の批准手続きが2019年5月30日に始まったばかりというタイミングでの関税騒動。普通ならちゃぶ台返しをしたくなるところですが、メキシコ側はこの手続きを継続する意向を示しており、あくまで経済連携を維持しようとする粘り強さが感じられます。
また、メキシコ政府は現時点で世界貿易機関(WTO)への提訴を考えていないと説明しています。WTOとは、国同士の貿易に関するトラブルを解決するための国際的な「審判」のような機関ですが、ここに訴えることで泥沼の法廷闘争になるよりも、直接対話による政治的解決を優先した形と言えるでしょう。メキシコ側は、中米からの移民対策について「十分に責任を果たしている」と主張しており、6月5日の交渉では、この実績をいかにトランプ政権に認めさせるかが焦点となりそうです。
ネット上の反応と編集部の視点
この緊迫した情勢に対し、SNS上では様々な声が飛び交っています。「トランプ政権のやり方はあまりに強引すぎる」「メキシコからのアボカドやテキーラが値上がりするのは困る」といった生活への影響を懸念する声や、「ロペスオブラドール大統領の冷静さは評価できるが、弱腰にも見える」といった外交手腕に対する厳しい意見も見受けられました。やはり、日常生活に直結する輸入品への関税となると、私たち消費者にとっても他人事ではありません。
私個人の意見としては、移民問題という政治的な課題解決のために、関税という経済的な武器を安易に使うことには強い懸念を抱かざるを得ません。経済制裁は諸刃の剣であり、巡り巡って米国内の消費者や企業にもダメージを与えることになるからです。しかし、振り上げられた拳をどう下ろさせるか、ここが外交の腕の見せ所でしょう。2019年6月10日の発動まで残された時間はわずかです。エブラルド外相とポンペオ国務長官の会談が、最悪のシナリオを回避する突破口になることを願ってやみません。
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