埼玉県公営企業2018年度決算は全事業黒字!安定経営の裏に潜むインフラ老朽化の課題とは?

埼玉県が2019年07月04日に発表した最新の決算報告によると、県が運営する3つの公営企業すべてにおいて、2018年度も黒字を維持したことが明らかになりました。地域住民の生活を支える基盤が、経営面で健全性を保っている事実は、非常に心強いニュースといえるでしょう。SNS上でも「これだけ長期間黒字を続けているのは、地方自治体の努力の賜物だ」といった、行政の安定した手腕を評価する声が上がっています。

具体的に内容を見ていくと、製造業などの工場へ水を届ける「工業用水道事業」は19年連続、家庭に届く水の元となる「水道用水供給事業」は27年連続という、驚異的な長期黒字を記録しています。さらに、宅地造成などを手掛ける「地域整備事業」も4年連続で利益を確保しました。しかし、数字を精査すると楽観視できない側面も見えてきます。実は、3事業すべてにおいて前年度よりも利益が減少する「減益」という結果に陥っているのです。

工業用水道事業の純利益は1億9900万円となりましたが、これは前の年度と比較して40.2%もの大幅な減少となります。その大きな要因となっているのが、施設の「除却費」や「減価償却費」の増大です。除却費とは、古くなって使い物にならなくなった設備を解体・廃棄する際にかかる費用のことを指します。また減価償却費とは、高価な設備の購入費を一度に計上せず、数年に分けて費用として割り振る会計処理のことですが、これらの負担が重くのしかかっています。

また、水道用水供給事業の純利益も30億8100万円と、前年度から27.7%減少する結果となりました。背景には、節水意識の向上や人口減少による給水収益の伸び悩みがあります。生活に欠かせないインフラが黒字を維持していることは素晴らしい成果ですが、老朽化した施設の更新コストが経営を圧迫し始めている現状は無視できません。将来にわたってこの安定供給を維持するためには、現在の黒字をどう設備投資へ還元していくかが、今後の大きな焦点となるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました