2019年06月05日に世間を驚かせた女優の蒼井優さんと山里亮太さんの電撃婚は、交際わずか2カ月という短さで大きな話題を呼びました。また、2019年07月04日に結婚を発表したアナウンサーの小林麻耶さんに至っては、なんと「交際0日」でのゴールインだといいます。こうした「スピード婚」の波は、今や芸能界に限った話ではなく、私たちの身近なところでも確実に広がりを見せているようです。
SNS上ではこうしたニュースに対し、「そんなに早く決めて大丈夫?」と心配する声がある一方で、「お互いの価値観が合えば時間は関係ない」「決断力が素晴らしい」といった肯定的な意見も目立ちます。今の時代、時間をかけて愛を育むスタイルから、効率や本質的な相性を重視する形へと、結婚のあり方が劇的に変化しているのでしょう。そんな令和の幕開けにふさわしい、驚きの結婚事情の裏側に迫ってみたいと思います。
2019年01月に結婚した愛知県の見上華穂さん(26歳)は、夫の裕士さん(39歳)と出会ってから2回目、わずか1週間で婚約を決めたそうです。婚活サイトを通じて知り合ったお二人は、いわゆる「付き合う期間」を飛び越えて家族になる約束を交わしました。周囲が驚くような早さですが、本人に迷いはなかったといいます。なぜなら、2回目に会った時点でお金や仕事、将来の家族計画といった深い話を共有できていたからです。
従来のような、改まった雰囲気では切り出しにくいシビアな話題を、初めからオープンに議論できるのがスピード婚の強みかもしれません。長く付き合ったからといって、必ずしも人生設計を共有できているとは限らないのが現実です。リクルートブライダル総研の調査によれば、2012年に平均3.8年だった交際期間は、2018年には3.3年へと短縮しており、今の若者にとって結婚への決断はよりスピーディーになっています。
晩婚化とマッチングアプリが加速させる「即決」の背景
スピード婚が増えた背景には、初婚年齢の上昇という社会的な要因が深く関わっています。2018年の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳となっており、自分にふさわしいパートナーを見極める能力が備わった成熟した世代が結婚市場の主役です。特に女性の場合、出産のリミットを意識して早めの決断を下す傾向が強まっており、効率的に理想の相手を探し出したいという切実な願いも反映されているのでしょう。
また、離婚に対する社会的な抵抗感が薄れたことも、背中を押す要因の一つかもしれません。2019年03月に交際4カ月で結婚した27歳の女性は、もし失敗しても再出発できるという前向きな割り切りがあったと語っています。こうした柔軟な考え方が広まる中で、さらに拍車をかけているのが「マッチングアプリ」の爆発的な普及です。スマホ一台で、会う前からお互いの詳細なプロフィールや趣味を確認できる仕組みが整いました。
「マッチングアプリ」とは、インターネットを通じて結婚や恋愛の相手を探せるサービスのことで、かつての「出会い系」とは一線を画す安全性が特徴です。Facebookとの連携や公的な身分証明書による本人確認が必須となり、24時間体制での監視も行われています。この安心感から市場規模はここ2年で2倍の400億円に達し、2017年には婚活サービスを利用して結婚した人が全体の1割を超えるまでになりました。
会員数1000万人を誇る「ペアーズ」などのアプリでは、趣味や価値観を細かく設定でき、相性の良い相手を効率的に見つけ出すことができます。かつて結婚相手の条件として重視された「3高(高学歴・高収入・高身長)」のような外面的なステータスよりも、現在は「一人の時間も大切にしたい」「ずっと手をつないでいたい」といった、内面的な価値観の共鳴が重視されるようになっています。
ネットテレビの「AbemaTV」で2019年04月まで配信されていた、初対面で結婚式を挙げる番組「いきなりマリッジ」が若者の支持を集めたことも象徴的です。編集者である私自身の視点から見ても、現代の結婚は「好きだから付き合う」という恋愛の延長線上ではなく、「結婚したいから最適な相手を選ぶ」という目的志向の強いプロジェクトへと進化しているように感じてなりません。
もちろん、時間をかけて信頼を築く美学も否定されるべきではありませんが、限られた人生の時間を有効に使い、早期に安定した家庭を築くという選択は非常に合理的です。多様な生き方が尊重される今、自分たちにとっての「幸せの形」を最短距離で掴み取ろうとするスピード婚は、合理性と情熱が同居した新しい時代のスタンダードになっていくに違いありません。
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