2021年の衝撃!欧州CO2規制が引き金となる自動車業界「大再編時代」の幕開け

2019年07月06日現在、世界の自動車業界にはかつてないほどの緊張感が漂っています。その震源地となっているのは、欧州連合(EU)が打ち出した極めて厳格な二酸化炭素(CO2)の排出規制です。この規制は単なる環境対策の枠を超え、メーカー各社の生存をかけた巨大な再編劇を加速させる強力なエンジンへと姿を変えています。

欧州の自動車業界にとって近年で最大のリスクと称されるこの規制は、2021年から本格的に導入される予定です。具体的には、域内で販売される新車のCO2排出量を、走行1キロメートルあたり平均95グラム以下に抑えることが義務付けられます。これはガソリン車の燃費に換算すると、1リットルあたり約24キロメートルという驚異的な数値を達成しなければならない計算です。

SNS上では「もはやガソリン車だけでは物理的に不可能ではないか」といった驚きの声が広がっています。実際、2018年時点の暫定値は120.4グラムとなっており、過去8年かけて20グラムしか減らせなかった現実を考えると、残りわずか2年で25グラムも削減しなければならないというハードルの高さは、まさに「異次元の挑戦」と言えるでしょう。

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天文学的な罰金が迫る!EVシフトへの焦燥感

もしこの目標を達成できなかった場合、メーカーには容赦ないペナルティが待ち受けています。超過1グラムにつき販売1台あたり95ユーロの罰金が科される仕組みで、業界全体の試算では2018年の排出水準のままだと、総額で約330億ユーロ(約4兆円)という天文学的な金額に達してしまいます。この巨額なコストを回避するため、各社はなりふり構わぬEVシフトを強いられています。

つい先日、2019年06月上旬に欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏ルノーの経営統合交渉が破談になったニュースは記憶に新しいところです。しかし、この交渉の裏側にも規制への恐怖がありました。FCAは2018年のEV販売がわずか1000台程度に留まっており、単独での規制突破が極めて困難な状況に追い込まれていたのです。

ここで注目すべきは「スーパークレジット」という専門ルールです。これはEVなどの低排出車を販売した際、1台を複数台分としてカウントできる特例処置を指します。ルノーはこの分野で先行しており、FCAにとっては喉から手が出るほど欲しい「救済措置」だったはずです。統合が破談した今も、生き残りをかけた合従連衡の火種が消えることはありません。

CASE時代の投資競争と生き残りをかけた新戦略

自動車業界が直面しているのは環境規制だけではありません。コネクテッド(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェアリング(共有)、エレクトリック(電動化)の頭文字をとった「CASE」と呼ばれる技術革新への対応も急務です。これら次世代技術の開発には膨大な資金が必要であり、1社で全てを賄うことはもはや現実的ではなくなっています。

独フォルクスワーゲンと米フォードの提携や、独BMWと独ダイムラーによる共同開発など、かつてのライバル同士が手を取り合う光景はもはや日常となりつつあります。私は、この動きこそが自動車という産業の定義が「製造業」から「モビリティ・サービス業」へと激変している過渡期であることの象徴だと確信しています。もはや単独主義では、この荒波を乗り越えることはできないでしょう。

2025年、さらには2030年に向けて規制は一段と厳しくなり、最終的には販売の3割以上をEVにしなければ事業継続すら危うい時代が到来します。仏政府のルメール経済・財務相が語った通り、再編の動きは今後も間違いなく加速していくはずです。私たち消費者は、100年に1度の変革の目撃者として、どのブランドがこの荒波を生き残るのかを注視していく必要があります。

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