100年に一度と言われる大変革期を迎えている自動車業界において、部品メーカー各社が生き残りをかけた壮絶な投資競争に身を投じています。2019年10月05日現在の最新データによると、主要な部品メーカー16社の研究開発費は、この10年間でほぼ倍増する見通しとなりました。この背景にあるのが、業界の未来を左右する「CASE(ケース)」と呼ばれる4つの技術革新です。
CASEとは、「Connected(コネクテッド:通信接続)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェアリング)」「Electric(電動化)」の頭文字を並べた専門用語です。これまでの車作りとは全く異なる次元の技術が求められるため、各社は莫大な資金を投じて新しい領域の開拓を急いでいます。SNS上でも「これまでの部品がなくなるのは恐ろしい」「車が家電のようになっていく」といった、期待と不安が入り混じった声が数多く上がっています。
電動化の波とアイシン精機が抱く危機感
特に「電動化」の進展は、従来のエンジンに関連する部品を主力としてきたメーカーにとって、死活問題となりかねません。アイシン精機の伊勢清貴社長は、現状に対して極めて強い危機感を露わにしています。エンジンがモーターに置き換わることで、これまで培ってきた高度な機械技術が不要になるリスクをはらんでいるからです。時代の変化を読み違えれば、瞬く間に市場から淘汰されるという厳しい現実が突きつけられていると言えるでしょう。
デンソーやアイシン精機をはじめとする国内大手は、限られたリソースをどこに配分するかという、極めて難しい経営判断を迫られています。研究開発費が膨らむ一方で、利益を確保するための「資金創出力」を高めなければ、次世代への投資を継続することは不可能です。単に技術を追い求めるだけでなく、いかに効率よく収益を上げ、それを再投資に回すかという、ビジネスモデルそのものの再構築が必要不可欠な局面に立たされています。
外資系勢の攻勢と日本企業が目指すべき進むべき道
市場の分析によれば、ドイツのコンチネンタルといった外資系メガサプライヤーは、既にソフトウェア分野などで優位性を築いています。彼らは巨額の投資を背景に、ハードウェアとソフトウェアを統合したシステム提案を強みとしており、日本勢にとっては強力なライバルです。私個人の見解としては、日本企業が持つ「細部へのこだわり」や「信頼性」を武器にしつつ、いかにスピード感を持ってデジタル化に対応できるかが、今後の勝敗を分ける鍵になると考えています。
これからの自動車は、単なる移動手段から「移動するコンピューター」へと進化を遂げていくはずです。2019年10月05日時点のこの激動は、未来のモビリティ社会を作るための産みの苦しみとも言えるでしょう。日本の部品メーカーが、その高い技術力を次世代のCASE領域でも発揮し、世界をリードする存在であり続けることを期待せずにはいられません。今こそ、過去の成功体験を捨て、新しい時代に挑戦する覚悟が問われています。
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