2019年6月4日、大手精密機器メーカーのキヤノンが発表した1月から6月期の決算予想は、厳しい市場環境を反映し、残念ながら減収減益の見通しとなりました。主要事業であるデジタルカメラ市場の縮小が止まらないことが、この業績予想の大きな要因であるといえるでしょう。特に、中国市場における一眼レフカメラの販売減少が目立っています。
キヤノンの伝統的な主力製品である一眼レフカメラは、近年、スマートフォン(スマホ)の高機能化によって市場が大きく侵食されています。高性能なカメラ機能を搭載したスマホの普及により、手軽に高品質な写真が撮れるようになり、カジュアルユーザーを中心にコンパクトカメラや一部の一眼レフカメラから移行する動きが顕著なのです。また、半導体事業においても、スマホ向けの需要が一時的に落ち着きを見せており、半導体製造に不可欠な露光装置(LSIなどの半導体チップの回路パターンを焼き付ける、精密な光学装置のことです)の販売も振るわない状況が重なっています。
さらに、為替市場におけるユーロ安の進行も、輸出を主力とするキヤノンにとって逆風となっています。ユーロ圏への輸出採算が悪化することは、収益を圧迫する一因となるでしょう。これらの複合的な要因から、全体の業績は厳しい局面を迎えていると見られますが、SNSでは「キヤノンの技術力があれば必ず盛り返せる」「ミラーレスカメラへの移行をもっと加速すべき」といった、今後の巻き返しに期待する声も多く見受けられます。
📷デジタルカメラの苦戦と✨新規事業の躍進
主力事業の苦戦が目立つ一方で、キヤノンの新規事業は非常に堅調に推移しています。特に、かつて東芝から買収した医療機器事業や、セキュリティ分野で需要が高まる監視カメラ事業などが成長の牽引役となっているのです。これは、企業が中長期的に成長を続ける上で、新たな収益の柱を確立することの重要性を改めて示しているといえるでしょう。デジタルカメラの市場は縮小傾向にありますが、これらの新規事業の伸びが、全体の落ち込みをある程度相殺する形になっています。
デジタルカメラ事業も手をこまねいているわけではありません。市場で人気が高まっているミラーレスカメラ分野では、新型レンズを積極的に投入し、高性能・高付加価値な製品で巻き返しを図っています。ミラーレスカメラは、一眼レフと比べて小型軽量でありながら同等、あるいはそれ以上の高画質を実現できるため、プロやハイアマチュア層からの注目度が高まっているのです。また、オフィス向け事業の複合機(コピー、プリンター、スキャナー、FAXなどの機能を一つにまとめた機器のことです)も、新製品の投入効果によって販売が好調です。
私の意見として、キヤノンは今、**「選択と集中」**の大きな転換期にあると思います。長年培ってきた光学技術や精密加工の技術力は、医療機器や半導体露光装置といった高精度が求められる分野でこそ、最大限に活かされるべきでしょう。デジタルカメラ事業は、収益性の高いミラーレスや高付加価値なプロ機材に注力し、ボリュームゾーンは新規事業にシフトするという戦略が、今後の企業成長の鍵を握るのではないでしょうか。残念ながら、現時点では一眼レフやコンパクトカメラの落ち込みを、新規事業やミラーレスの伸びが完全に補うまでには至っておらず、全体としては減収減益の見込みですが、この事業ポートフォリオの転換は将来的に必ず実を結ぶでしょう。
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