2019年6月現在、日本のスマートフォン市場は、米国と中国の貿易摩擦による影響で、まさに激動の渦中にあります。特に、中国の巨大テクノロジー企業であるファーウェイ(華為技術)は、この影響を最も大きく受けている企業と言えるでしょう。2019年5月15日、米商務省が安全保障上の懸念がある外国企業をリストアップした「エンティティーリスト」に同社とその関連会社を多数追加したと発表しました。この措置は、翌16日から米企業からの事実上の輸出禁止を意味しており、世界中に展開するファーウェイのスマートフォン事業に直撃しました。
この輸出規制を受けて、ファーウェイの国内シェアは急速に落ち込みました。5月15日には15.3%あった日次シェアが、わずか一週間後の5月22日には5%へと約3分の1にまで急激に縮小しています。さらに深刻なことに、5月24日に最新機種の「P30シリーズ」を発売したにもかかわらず、国内通信キャリア各社が販売を延期したことで、売上が伸び悩み、一時的にはシェアが2%台まで低迷しました。その後、5月27日の週に3.6%で底を打ち、6月に入ってからは不安定ながらも徐々に回復の兆しを見せ始めていますが、この回復は、規制前の勢いを取り戻すには至っていないのが現状です。
市場の激変は、そのまま他社の躍進につながっています。このファーウェイの急落を機に、シェアを大きく伸ばしているのが、シャープ、サムスン、そしてソニーといったブランドです。特にシャープは、好調な販売が続いている「AQUOS sense2」のおかげで、5月13日の週に10.4%だったシェアを、5月27日の週には13.6%にまで伸ばし、存在感を高めています。また、サムスンも旧モデルの「Galaxy S9」の販売が伸長し、5月27日の週にはピークの7.8%を記録し、一時的にソニーを抜いてシェア3位に浮上するという目覚ましい成果を上げました。しかし、6月に発売された最新モデルの「Galaxy S10シリーズ」は、現時点では伸び悩んでいる模様です。
そして、日本の代表的なメーカーであるソニーの「Xperia 1」が市場に活気をもたらしています。6月14日に発売されたこの新製品が大変好調で、ソニーは6月10日の週には13.3%のシェアを獲得し、シャープを抜き去って、なんと31週間ぶりにシェア2位にまで浮上しました。シェアを13%台まで回復させたのは、昨年8月6日の週以来44週間ぶりの快挙であり、国産メーカーの底力を見せつけた形です。このように、ファーウェイのシェア低下という隙間に、国内メーカーや他国メーカーが一斉に攻め込む、まさに**「スマホ戦国時代」の様相を呈していると言えるでしょう。
なお、長年にわたり不動の首位を維持しているアップル**は、直接的な米中貿易摩擦の影響は小さいようです。しかしながら、サムスンの「Galaxy S10シリーズ」やソニーの「Xperia 1」といった有力な新製品の攻勢を受けて、シェアを落としています。5月27日の週には49.6%あったシェアが、6月10日の週には40%にまで低下しており、トップメーカーとはいえ油断のできない状況です。現在のスマートフォン市場は、常にダイナミックに変化しており、一瞬たりとも目が離せません。
読者の皆様のSNSでも「ファーウェイ、新機種どうなるんだ?」「Xperia 1、やっと本気を出したね!」といった声が数多く見受けられ、この市場の動向には大きな関心が寄せられています。ファーウェイは、2018年6月に発売した「P20シリーズ」をきっかけに、同年7月には過去最高の15.2%を記録し、アップルに次ぐ2位に躍進した過去があります。そこから昨年12月の最高財務責任者(CFO)の逮捕、そして今回の禁輸措置と、短期間に二度も大きなダメージを受けていることになります。私見ですが、技術力で世界をリードしてきたファーウェイが、政治的な要因によって苦境に立たされている状況は、非常に残念に思います。しかし、この影響は中国系スマホメーカー全体に波及する可能性も否定できず、今後の市場の行方は、引き続き不透明と言わざるを得ないでしょう。
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