【CEATEC 2019】パナソニック・シャープが展示縮小へ。ANA参入で変わるIT見本市の未来とは?

2019年7月28日、日本の家電業界に大きな衝撃を与えるニュースが飛び込んできました。国内最大級のIT・エレクトロニクス総合展である「CEATEC(シーテック)」において、これまで主役を担ってきたパナソニックとシャープが、今秋の展示規模を縮小することが判明したのです。かつては最新家電が華やかに競演する場として注目を集めてきましたが、時代の波は確実に展示会のあり方を変えようとしています。

ここで「CEATEC」について改めて解説しておきましょう。これは、最先端のIT技術や電子部品、そしてそれらを活用したサービスが一堂に会する国際的な見本市のことです。以前は新製品を一般消費者に披露する「家電見本市」という色彩が非常に強かったのですが、近年はあらゆる産業がテクノロジーでつながる「超スマート社会」の実現を目指す、より広範なビジネスイベントへとその役割をシフトさせてきました。

スポンサーリンク

情報発信の多様化と異業種参入がもたらす新潮流

なぜ、家電の巨頭たちが展示を縮小するという決断に至ったのでしょうか。その背景には、企業が情報を発信する手段が劇的に多様化したという実情が挙げられます。現在では、SNSを通じたダイレクトなアピールや自社独自の発表イベントの開催など、多額の費用を投じて大規模な展示会に依存せずとも、顧客へ価値を届けるルートが確立されました。ある種、合理的で戦略的な選択の結果だと言えるはずです。

その一方で、会場には新たな風も吹き始めています。今回大きな注目を集めているのは、ANAホールディングスをはじめとする「非テック企業」の積極的な参入です。もはやITは電機メーカーだけのものではなく、空の旅を提供する航空会社のようなサービス業にとっても、顧客体験を向上させるための不可欠な武器となりました。テクノロジーが生活の隅々にまで溶け込んでいる象徴的な出来事だと確信しています。

SNS上での反応を覗いてみると、「家電メーカーのブースが小さくなるのは寂しい」という往年のファンによる惜しむ声が目立ちます。その一方で、「ANAがどのような未来を見せてくれるのかワクワクする」「展示会の役割が変わっていくのは自然な流れだ」といった、変化を前向きに捉える意見も数多く投稿されていました。ユーザーの関心も、単なる「モノ」の所有から、技術がもたらす「体験」へと移ろいでいるのでしょう。

編集部としては、この変化を「家電時代の終焉」と悲観するのではなく、「サービス融合時代の幕開け」として歓迎したいと考えています。特定の巨大企業が目立つ形ではなく、異なる業界同士が手を取り合って新しい価値を共創する姿こそ、これからのCEATECが示すべき理想像ではないでしょうか。2019年の秋、幕張メッセで私たちが目にするのは、これまでにないほど刺激的で多様性に満ちた光景になるに違いありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました