かつて世界のディスプレー市場を席巻した韓国のLGディスプレーが、現在、未曾有の荒波に揉まれています。2019年10月24日に公表された最新の決算によれば、2019年7月から2019年9月までの第3四半期において、同社はなんと8年ぶりとなる営業赤字を記録しました。世界最大手の座に君臨し続けてきた巨人のつまずきは、業界全体に激震を走らせています。
トップ自らが「会社の存続に関わる危機」とまで言い切る背景には、隣国である中国メーカーによる圧倒的な供給攻勢が存在するのです。SNS上でも「あのLGが赤字になるなんて信じられない」「液晶テレビが安くなった裏側には、こうしたメーカーの血を吐くような消耗戦があったのか」と、驚きと今後の価格変動を懸念する声が数多く寄せられています。
供給過剰がもたらす「液晶の冬」と次世代への懸念
現在、ディスプレー産業はまさに「厳冬期」と呼ぶべき過酷な状況に直面していると言えるでしょう。ここで言う供給過剰とは、市場の需要に対して生産量が大幅に上回ってしまう状態を指し、これが原因でパネルの販売価格が暴落しています。潤沢な政府支援を背景に巨大工場を次々と稼働させる中国勢に対し、日本や韓国、台湾のメーカーは防戦一方の状況を強いられているのが実情です。
さらに深刻なのは、液晶に代わる次世代技術として期待されている「有機EL(OLED)」の領域にも、中国メーカーの影が忍び寄っている点でしょう。有機ELとは、自ら発光する素子を用いることで、これまでの液晶では不可能だった真の黒色を表現でき、かつ折り曲げも可能にする画期的な技術です。LGはこの分野へのシフトを急いでいますが、追い上げてくるライバルとの競争は一層激化しています。
私個人の見解としては、単なる価格競争に終始するのではなく、付加価値の高い独自技術でいかに差別化を図れるかが、今後の生き残りの鍵を握ると考えています。かつての成功体験を捨て、新しいデバイスの形を模索する柔軟な姿勢が求められているのではないでしょうか。技術の進歩は喜ばしいことですが、メーカーが健全に存続できる市場環境の再構築を願わずにはいられません。
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