2019年5月23日に実施された英国での欧州議会選挙が、同国の政治地図を劇的に塗り替えました。EU離脱を巡る混迷が続く中、長年英国政治を担ってきた与党・保守党と最大野党・労働党の「二大政党」が歴史的な大敗を喫し、3位以下に沈んだのです。SNS上では「保守党も労働党もダメだ」「英国は完全に二つに割れた」といった声が溢れ、国民の深い失望と政治不信が浮き彫りになりました。
他のEU諸国とは異なり、英国において今回の選挙は、EU離脱の是非を改めて問う「代理国民投票」としての様相を呈しました。その結果、明確な主張を掲げた勢力が有権者の支持を集めました。最大の勝者となったのは、早期のEU離脱を強硬に訴える新党「ブレグジット党」です。得票率32%を獲得し、圧倒的な第1党の座を確実にする見通しです。ファラージ党首が前回2014年に率いた英国独立党(UKIP)の得票率をさらに上回っており、離脱支持層を強固に束ねた形となりました。
しかし、これは離脱派の圧勝を意味するものではありません。それと同時に、EU残留や2回目の国民投票を掲げる「残留派」も驚異的な躍進を遂げたのです。自由民主党は前回の7%から20%へと得票率を約3倍に伸ばし、緑の党も12%まで支持を拡大しました。この残留派2党の得票率を合計すると、ブレグジット党の得票率に匹敵します。つまり、英国民の意思が「離脱派」と「残留派」の両極に真っ二つに割れている現状が、これ以上ないほど鮮明に示されたのです。明確な方針を示せなかった二大政党が埋没したことは、英国政治の混迷がさらに深まることを示唆しているでしょう。
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