私たちの生活を劇的に便利にした「使い捨て」文化が、今まさに大きな転換点を迎えています。かつて布おむつの洗濯に追われていた時代、使い捨て紙おむつの登場は家事負担を減らす救世主でした。しかし、その利便性の裏側で、環境負荷という重い代償を支払ってきたことも事実です。
こうした状況を打破すべく、ユニ・チャームは使用済み紙おむつを回収し、再び新品へと再生する世界初の技術を確立しました。SNSでは「使用済みをまた使うのは抵抗があるけれど、背に腹は代えられない環境問題だ」「技術の進歩がすごい」といった驚きと期待の声が広がっています。
ゴミ問題の「お荷物」を資源へ変える技術革新
実は、使用済みの紙おむつは自治体にとって非常に厄介な存在です。水分を多く含んでいるため燃えにくく、焼却には多大なコストと二酸化炭素の排出が伴います。高齢化の影響もあり、ゴミに占めるおむつの割合は、2019年11月4日時点の推計で約7%と、この10年で倍増しました。
この難題に対し、ユニ・チャームの宮沢清工学博士は「製造・販売する企業の社会的責任」を強調しています。同社は約8年前から研究を重ね、他社製品も含めてリサイクルできる体制を整えました。2021年の製品化を目指すこの試みは、企業の存続をかけた挑戦と言えるでしょう。
ここで注目したいのが「ESG」という言葉です。これは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、現代の企業が長期的に成長するために不可欠な視点とされています。単に利益を追うだけでなく、地球に優しい経営が求められています。
アパレル界の巨人・ユニクロが宣言する「脱・使い捨て」
ファッション業界でも、ファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」が大きな一歩を踏み出しました。同社は東レと共同で、回収したダウンジャケットから上質な素材を再生する仕組みを開発しました。2020年の秋冬シーズンからは、この再生素材を用いた新商品が登場する予定です。
柳井正会長は「使い捨ての服は作らない」と断言し、気候変動や貧困といった地球規模の課題への危機感を露わにしています。スウェーデンの五輪代表ウェア提供の際も「持続可能性」が契約条件だったというエピソードは、もはや環境対策が世界の共通言語であることを物語っています。
プラスチックとの決別と未来への行動
また、身近なプラスチック製品にも変化の波が押し寄せています。花王は、商品を飾るプラスチック製の「アイキャッチシール」を全廃する方針を固めました。店頭での廃棄物ゼロを目指す姿勢からは、これまでの「当たり前」を見直そうとする強い意志が感じられます。
私は、こうした企業の動きこそが、私たちの消費行動をアップデートする鍵になると確信しています。便利な生活を維持しながら地球を守るには、企業と消費者が共に「循環」を意識することが不可欠です。理念を語る段階は終わり、2019年を境に具体的な行動が加速していくはずです。
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