韓国の巨大企業サムスン電子が、半導体受託生産の分野で世界王者である台湾のTSMCに対し、真っ向から勝負を挑んでいます。2019年11月01日、彼らが打ち出した戦略は、まさに「巨人への挑戦状」と呼ぶにふさわしいものです。毎年1兆円という天文学的な資金を投じ、次世代技術の確立を急ぐその姿からは、並々ならぬ執念が感じられるでしょう。
2019年10月31日に発表された2019年7~9月期の決算では、営業利益が前年同期比で56%減という厳しい数字となりました。しかし、この苦境にあっても、受託生産事業は前四半期比で14%の増収を記録しており、経営を力強く支える屋台骨となっています。競合他社が苦戦を強いられる中で、サムスンが次なる一手として見据えるのは、受託生産での世界首位奪還なのです。
SNS上では「ついにサムスンが本気を出した」「TSMC一強時代が終わるのか」といった驚きの声が広がっています。また、投資家たちの間でも、この巨額投資がもたらす産業構造の変化に高い関心が寄せられているようです。李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が語る「必ず1位になる」という言葉は、単なるスローガンではなく、緻密な計算に基づいた宣戦布告といえるでしょう。
次世代を制する魔法の技術「EUV」とは?
今回の戦略における最大の鍵は、「EUV(極端紫外線)」と呼ばれる画期的な露光技術の導入にあります。これは、極めて波長の短い光を利用して、シリコンウエハー上に微細な回路を描く技術のことです。従来の方式では限界に達していた回路の細密化を、この魔法のような光が可能にしました。これにより、半導体の性能は飛躍的に向上し、消費電力の低減も実現するはずです。
サムスンは、メモリー製造で培ってきた高度なノウハウをこのEUV技術に応用しようとしています。ソウル郊外にある華城(ファソン)工場の新棟では、すでに装置の稼働準備が着々と進められているとのことです。2019年を通じて約2兆円にものぼる設備投資を計画しており、そのうち約半分を受託生産とシステム半導体分野に振り向けるという決断には、目を見張るものがあります。
編集者としての視点から言えば、この投資競争は単なる二社間の争いに留まりません。今後、次世代通信規格「5G」の普及に伴い、高性能な半導体への需要は爆発的に高まることが予想されます。サムスンとTSMCが切磋琢磨することで、私たちの生活を支えるスマートフォンやAI、自動運転技術などの進化が、想定以上のスピードで加速していくことは間違いないでしょう。
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