夜空に広がる神秘的な星々を、ありのままの美しさで残したいと願う天文ファンに朗報が舞い込みました。キヤノンは2019年11月15日、本格的な天体観測や撮影に特化したフルサイズミラーレスカメラ「EOS Ra」を、2019年12月上旬より発売すると正式に発表したのです。このカメラは、同社が誇る高画質ミラーレス「EOS R」のポテンシャルを引き継ぎつつ、宇宙の輝きを写し取るために特別なカスタマイズが施された、まさに「星撮り」のための戦略的モデルといえるでしょう。
今回の新モデルで最も注目すべき点は、光の入り口に設けられた光学フィルターの設計変更にあります。通常のカメラには、偽色やモアレを抑えるための「ローパスフィルター」が搭載されていますが、本機ではその特性を天体向けに最適化しました。具体的には、水素原子が放つ「Hα線」と呼ばれる特定の赤い光の透過率を、ベースモデルと比較して約4倍にまで高めているのです。これにより、一般的なカメラでは表現しきれなかった赤みの強い星雲のディテールを、驚くほど鮮明に描き出せるようになりました。
天体写真において、ピント合わせは作品の成否を分ける極めて繊細な作業です。その難題を解決するため、「EOS Ra」には背面液晶モニターでの拡大表示機能を大幅に強化したシステムが導入されました。なんと最大で30倍まで映像を拡大することが可能となっており、微細な星の輝きもしっかりと視認しながら、追い込んだピント調整が行えます。有効画素数約3030万画素のフルサイズセンサーが、拡大された暗所でもノイズを抑えたクリアな視界を提供してくれるのは心強い限りですね。
SNS上では、早くも「キヤノンがついに天体専用機をミラーレスで出してきたか!」「天体改造を自前でする手間が省けるのは大きい」といった熱狂的な声が上がっています。プロ志向のユーザーからも、マウントアダプターを介して数多くの銘玉レンズを天体撮影に活用できる点に期待が寄せられていました。価格はオープン価格ですが、キヤノンオンラインショップでは2019年11月15日時点で29万8000円(税別)と案内されており、そのスペックを考えれば納得の投資といえるのではないでしょうか。
編集者の視点から見れば、この「EOS Ra」の登場は、ミラーレスカメラが一眼レフを完全に凌駕し始めた象徴的な出来事だと感じます。ミラーレスならではの短いフランジバックは、望遠鏡への接続や光学設計に大きな自由度をもたらしますし、高精細なEVFでのピント確認は天体撮影の作法を劇的に変えるはずです。スマートな筐体に詰め込まれた革新的な技術が、私たちがまだ見ぬ宇宙の深淵を、より身近な存在へと変えてくれるに違いありません。
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