2019年11月21日、世界最高峰のプロ野球リーグである米大リーグ機構(MLB)が、野球の普及途上にある国々への本格的な進出を加速させています。国際部門を統括するジム・スモール氏は日本経済新聞の取材に応じ、特にインドや中国を重点地域として、新たなファン層を劇的に増やす戦略を明かしました。
SNS上では「クリケット大国のインドで野球がどこまで浸透するのか楽しみ」「大谷選手のようなスターが世界中から現れたらワクワクする」といった期待の声が寄せられています。MLBは単なる試合の開催に留まらず、現地の教育機関や最新技術と連携し、これまでにない規模での市場拡大を目指しているようです。
クリケット大国インドへの挑戦と中国での育成戦略
MLBが今、最も熱い視線を注いでいるのはアジア市場です。2019年7月にはインドのニューデリーに現地事務所を設立しました。今後はムンバイなどの主要都市にある300以上の学校へ講師を派遣し、野球教室を展開する計画です。国民的スポーツがクリケットであるインドにおいて、野球の普及は一見ハードルが高いようにも思えます。
しかしスモール氏は、クリケットと野球には「投げる・打つ」という共通の動作が多い点に着目しています。競技の親和性が高いため、一度きっかけを掴めば「ファンをごっそり獲得できる」と確信しているのでしょう。潜在的な競技人口の多さを考えれば、インドはまさに未開のダイヤモンドと言えるかもしれません。
一方、中国ではより実践的なアプローチが進んでいます。国内3カ所に直営のプロ選手育成学校を設置し、現地の不動産会社と協力して20カ所以上の練習施設を建設中です。これは、現地からメジャーリーガーを輩出することで、爆発的な人気を呼ぶ「スター戦略」の一環であり、中国市場の熱量は確実に高まっています。
「本物」を体験させる海外開催と日本市場の重要性
スモール氏は、ファンを増やす最良の方法は「現地で試合を体感してもらうこと」だと語ります。2019年6月には欧州初の公式戦がロンドンで開催され、試合後には公式SNSの登録者が急増しました。画面越しだった存在がリアルになることで、人々の心に深い感動を刻み、真のファンへと変貌させるのです。
2019年3月に日本で開催された開幕戦も、イチロー選手の引退という歴史的瞬間が重なり、凄まじい反響を呼びました。日本は2003年の拠点設立以来、放映権やグッズ販売で大きな収益を上げる最重要市場です。MLBはこの成功モデルを他国へ移植しつつ、日本の子供たちの野球離れを防ぐ対策も検討しています。
NTTとの提携による「超臨場感」が変える観戦スタイル
さらに、物理的な距離を超えるための武器として「テクノロジー」が導入されます。MLBは2019年9月にNTTと提携し、「ウルトラ・リアリティー・ビューイング」という最新技術の活用を始めました。これは複数の4K映像を合成し、広大な画面に滑らかに映し出す技術で、まるでスタジアムにいるような没入感を提供します。
2019年10月のポストシーズンでも中継実験に成功したこの技術は、試合開催が難しい地域でもファンを熱狂させる可能性を秘めています。「アメリカに行かなくても球場を感じられる」この革新は、次世代のスポーツビジネスの核となるでしょう。大谷翔平選手のようなスターが世界中で誕生する日も、そう遠くないはずです。
編集者としては、伝統ある野球がデジタルと融合し、未知の領域へ踏み出す姿に興奮を禁じ得ません。日本での成功体験に安住せず、貪欲に世界へ打って出るMLBの姿勢は、スポーツの枠を超えたグローバルビジネスの指針となるでしょう。新技術がもたらす「どこでもスタジアム」の体験が待ち遠しいですね。
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