日経平均2万3000円台の攻防!「クラゲ相場」を生き抜く自社株買いと信用需給の活用術

2019年11月22日の東京株式市場では、日経平均株価が2万3000円の大台を維持しつつも、どこか方向感を欠く「膠着(こうちゃく)状態」が続いています。企業の業績という根本的な実力には不安が残るものの、決定的な売り材料も見当たりません。現在のマーケットは、まるで海中を漂うクラゲのように、需給の波に身を任せているかのようです。

SNS上では「上がるのか下がるのかハッキリしてほしい」「個別株の動きが激しすぎて目が離せない」といった投資家の困惑する声が目立ちます。長期的な視点を持つ投資家が静観を決め込む中、短期的な需給を狙った売買が相場を揺さぶっています。こうした環境では、ファンダメンタルズ(企業の財務状況や業績などの基礎条件)以上に、買いと売りのバランスを見極める力が求められるでしょう。

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「信用倍率」が鍵を握る!売られにくい銘柄の正体

いま注目を集めているのは、信用倍率が極めて低い銘柄です。信用倍率とは、証券会社からお金を借りて株を買っている量(買い残)を、株を借りて売っている量(売り残)で割った数値のことです。この数値が1倍を下回る、つまり「将来買い戻さなければならない売り注文」が溜まっている銘柄は、株価が下がりにくく、むしろ上昇のエネルギーを秘めていると解釈されます。

例えば、カシオ計算機は2019年11月22日に年初来高値を更新しました。主力製品である「G-SHOCK」の減速懸念から空売りが膨らんでいましたが、中国市場での好調が伝わると、一転して売り方の買い戻しを巻き込む急騰を見せたのです。同様に、世界的な自動車市場の停滞で売られていた日野自動車も、需給の好転を背景に底堅い動きを見せており、投資家の視線が熱く注がれています。

最強の買い材料「自社株買い」の光と影

最も分かりやすい「買いのサイン」として、多くの投資家が飛びついているのが企業の自社株買いです。野村ホールディングスは、2019年6月に設定した大規模な自社株買い枠を背景に、右肩上がりの推移を見せています。また、トヨタ自動車も2019年11月7日に巨額の取得枠を発表しました。本格的な買い付け開始を前に「売られにくい安心感」が広がり、高値圏をキープしています。

しかし、この「需給の魔法」には注意も必要です。東芝の事例では、2019年11月7日に巨額の自社株買いが終了した途端、株価は8日連続で下落しました。事業内容自体は改善傾向にあったものの、強力な買い支えがなくなったことが嫌気された形です。自社株買いという「ドーピング」が切れた瞬間の反落リスクは、常に頭の片隅に置いておくべきでしょう。

個人的な見解を述べさせていただくと、現在の日本株は非常に脆いバランスの上に立っていると感じます。米中貿易摩擦という外部環境の波が高まれば、実力(業績)の伴わない「需給頼み」の上昇は一気に崩れる危険性があります。SNSで話題の銘柄に飛びつく前に、その上昇が「実需」なのか、それとも一時的な「需給のゆがみ」なのかを冷静に分析する姿勢が、賢明な投資家には不可欠です。

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